「夏バテ」はどうして起こる? 原因と対処法について

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執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ

夏の暑さから起こる不調である「夏バテ」。

夏バテはどうしておこるのでしょうか?

今回は夏バテが起こる原因と、その対処法についてご紹介したいと思います。

夏バテの要因

夏バテのおもな原因は大きく4つあります。

室内外の温度差による自律神経の乱れ

自律神経とは、身体のさまざまな機能の調節に関わっている神経系で、体温調節もそのひとつです。

自律神経は、交感神経と副交感神経から成り立っていて、暑いときには副交感神経がはたらき血管を広げて体温を逃し、寒くなると交感神経がはたらき体温を逃さぬように血管を縮めています。

このような自律神経の働きは、室内外の温度差が5℃以上になることで乱れてしまいます。

食生活の乱れ

暑いとつい冷たいものを食べたり飲んだりしがちです。冷たいものの摂りすぎると、胃腸の調子が悪くなります。さらに、暑くて食欲が落ちてしまうことも重なって栄養も偏りやすくなります。

睡眠不足

寝苦しさから睡眠時間が不足しがちになります。さらに、冷房のつけっぱなしでおこる「寝冷え」から睡眠の質を低下させてしまいます。

ストレス

暑さによるイライラなど、ストレスも夏の体調不良に影響します。

ほかにも、強い日差しが皮膚にあたることで紫外線の影響をうけます。紫外線は細胞を老化させると言われています。

夏バテ対処法1:適切な温度調節を

まずは、冷房をうまく使いましょう。目安は外気温マイナス3〜4℃で、寒いと感じない温度です。

「暑すぎず」「寒すぎず」が身体への負担を減らします。

また、湿度が低いと「涼しい」と感じます。自身で調節の難しい公共の場や職場などでは、上着やスカーフなどを活用し室内外の激しい温度差を避けましょう。

冷房以外に、扇風機を活用している方も多いことでしょう。扇風機の風は体表から熱をとってくれますが、風が肌の同じ場所にあたり続けないよう壁に当てて使用したり、タイマーを活用したりすることがポイントです。冷房と同じく、身体を冷やすことにつながってしまいます。

寝苦しい夜は、涼感グッズの活用を検討してみてください。

夏バテ対処法2:食べることで夏バテ防止、緩和

ふだんの食事を工夫することで、夏バテを防止・緩和することができます。次のことを実践してみましょう。

冷たいものの摂りすぎに注意

冷たい飲み物を摂りすぎると、消化機能が低下します。一気飲みをせず、できれば常温の飲み物をこまめに摂ることが望ましいです。

辛い食べ物はほどほどに

辛いものは発汗による夏バテ防止効果が期待できますが、食べすぎは胃腸を痛めるのでほどほどに。

夏バテ防止に効果のある食べ物を摂ろう

夏バテを防止・緩和できる次の栄養素を意識して摂りましょう。

・たんぱく質


抵抗力を高め、自律神経をととのえる。肉、魚、豆腐、納豆、卵など

・ビタミンB群


代謝を高め、疲労回復を促す。豚肉、うなぎ、豆腐、納豆、卵など

・ビタミンC


抵抗力を高め、疲労回復を促す。野菜、果物

・ミネラル


汗で排出されてしまうと、脱水症状をおこすため補います。塩、梅干し、味噌、大根、キュウリ、枝豆、海藻など

食べ方にもひと工夫を!

疲れた胃腸をいたわるには、夏バテ予防の栄養素の補給だけではなく、「どう食べるか」も大切です。

「よく噛んで1日3食バランスよく食べる」「腹八分目を心がけ、食べ過ぎない」「できる限り、寝る2〜3時間前に食べ終える(遅くなる場合には油物を控えめに)」を心がけてください。

夏バテ対処法3:自律神経を整える

適度な運動やストレッチで身体を動かし汗をかくことは、自律神経を整えるためにも大切です。血流もよくなり、老廃物の排出を促します。

また、入浴はシャワーで済まさず、湯船に浸ることも効果的です。水圧で血行がよくなります。

ぬるめの38度〜40度のお湯にゆっくり浸かると、リラックスすることができ、自律神経を整えることにもつながりますよ。

さらに、ストレスも大敵です。イライラを発散する方法をいくつか持っておきましょう。


<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供