9月6日、トランプが習近平と電話会談をした。会談では北朝鮮に対する圧力強化に関して鮮明な違いが浮かんだ。米中は北の非核化に協力はするが、中国が北への石油を全面的に止める可能性は低い。その理由を分析する。

習近平トランプ電話会談

中国の中央テレビ局CCTVは9月6日23:14に速報で、習近平国家主席(以下、習近平)がトランプ大統領(以下、トランプ)の要請を受けて、電話会談に応じたと伝えた。それによれば、トランプの今年中の訪中以外に、朝鮮半島問題が主たる話題だったという。

習近平が

「中国は朝鮮半島の非核化を実現し、国際的な核不拡散システムを維持していくという方針は変わらない。同時に我々は朝鮮半島の平和安定を堅持し、対話によって問題解決を図る道を堅持する」

と言ったのに対し、トランプは

「アメリカは朝鮮半島の現状に強い懸念を抱いている。中国が北朝鮮の核問題を解決する上で、大きな役割を果たすことを重視している。米中の意思疎通を強化し、一刻も早く朝鮮半島の核問題を解決する方法を見い出したい」

と述べたとのこと。

実際には「国連安保理における北朝鮮に対する石油輸出を全面禁止する制裁に賛同してほしい」ということを言うためにトランプは習近平に電話したものと思うが、CCTVが報道しないのか、あるいはトランプがストレートなことは口にしなかったのか、今のところその報道はない。

いずれにしても9月11日の安保理における追加制裁に賛成票を投じてほしいというのが、トランプの切なる要望だろう。トランプはアメリカのメディアに対して「良い会談ができた。習近平は協力するだろう」という趣旨の感想を述べているようだが、どうだろうか?

中朝をつなぐパイプラインはパラフィンが多い大慶の原油

中国が北朝鮮への石油パイプライン建設を完成させたのは1975年12月。長さ30.3キロ、パイプの直径377ミリ、パイプの厚さ7ミリというものだった。原理的には毎年300万トンの石油を送ることができる。

ただし重要なのは、中国がパイプラインを通して北朝鮮に送っているのは「原油」で、しかも「大慶油田」の原油だということである。

1959年9月26日、大慶油田が発見された。毛沢東は国を挙げて、この大発見を祝賀させた。ちょうど中国建国10周年記念日に近かったので、10月1日の国慶節にちなんで「大慶」と名付けたほど、大きな出来事だった。

遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)