色恋沙汰に金銭トラブル…実は「東海道中膝栗毛」の原作はなかなかのカオスっぷり

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前回は、弥次さんと喜多さんの馴れ初めは実はボーイズラブ?というちょっぴり衝撃的な真実をご紹介しましたが、今回は、東海道中膝栗毛の弥次さん喜多さんの江戸での珍事件と、それを起因にした旅立ちを紹介していきます。

男女関係がもつれた結果、八丁堀は大騒動!

さて、江戸についた弥次郎兵衛は鼻之助を喜多八と命名して元服させて奉公先を紹介してやり、自分は神田八丁堀の裏長屋で油絵を描く職人として働きます。世話好きな知人からおふつと言う女性を紹介して貰って結婚し、平和な暮らしを手にします。

喜多八も店の老主人と若く美しい奥方様に重宝され、奉公人として順調な人生を送っていたのですが、彼が奉公先の金を使い込んだと弥次さんの家に助けを求めて来たことから運命は暗転します。

長年可愛がって来た弟分であり恋人でもある喜多さんを使い込みでクビにはさせたくないが、今の自分にはそんな金はない…悩み抜いた彼はある計略を思いつきました。生真面目だけが取り柄の地味な妻に飽きていたのと、15両もの持参金つきでお壺なる若い嫁さん(ただし懐妊中)を迎えて喜多さんを救えると知った弥次さんは、こともあろうか近所の女の子と男性を誘って例の計略を実行します。

奥方の再婚相手候補である弟分を救うことで、商家の財産も手に入って昔のような金持ちになれると考えたのでしょう。金に目がくらんだ弥次さんは二人を府中時代の婚約者とその兄である武士だと偽り、三人がかりでおふつを離縁に追い込んでしまうのです。

スピード結婚&離婚…これが旅立ちの発端だった!

こうしてお壺を妻として迎えた弥次さんでしたが、その直後に喜多八が弥次郎兵衛宅を訪問した時にさらなる事実が発覚します。お壺と言うのが何と喜多さんの愛人であり、子供が出来たのが店にばれるとまずいので彼女を他所へ嫁がせるために15両の縁談を喜多さんはもうけていたのでした。

それに激怒した弥次さんが喜多さんと取っ組み合いの喧嘩をする中、お壺は産気付いて卒倒し、亡くなってしまいました。古女房と離縁し、間もなくして若妻も死去と言う悲惨な状況下に、更なる追い打ちがかけられます。

喜多八が仕えていた老主人が死んだのですが、奥方からは不埒な振る舞いと魂胆を見抜かれて、とうとう喜多さんはクビになってしまったのです。侍に化けた知人達やお壺の父などに参列して貰ってお壺を弔った喜多さんは、弥次さんとの二人暮らしに戻ってしまったのでした。こうした災難が続いたのを嘆いた弥次・喜多両名は、厄払いとしてお伊勢参りを思い立ちます。

如何でしたか?一般に流布している弥次喜多コンビがコミカルながらも颯爽としているのに対し、原作とりわけ発端では色恋沙汰や金銭トラブルで事件ばかり起こしています。現実にいたらどうしようもない人々ですが、一方で人間臭くさえあります。

そんな彼らの素性と旅に出るきっかけを知ると、あの滑稽なストーリーにも深みが出てくるため、膝栗毛に興味のある方は発端から読み進めることをおススメします。

東海道中膝栗毛