巨大ハリケーンの目に飛び込む「ハリケーン・ハンターズ」(画像は『NOAAHurricaneHunters 2017年9月6日付Twitter「Inside the eye of #Irma on WP-3D Orion #NOAA42.」』のスクリーンショット)

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大変なハリケーン被害のさなかにある今のアメリカ。大西洋上で発生した最新のハリケーン・イルマについてもプエルトリコでは島民が460あるハリケーンシェルターへの避難を呼び掛けられ、9日にはフロリダ州に上陸するのではないかと予想されている。最大風速は83メートル、ハリケーンの規模としては史上最強のカテゴリー5にあたるとの予想が報じられたことを受け、フロリダ州のスーパーマーケットでは水や食料品を大量に買いこむ人々が列を作っている。そんななか、ハリケーン観測の前線に立つアメリカ海洋大気庁の精鋭部隊「‏ハリケーン・ハンターズ(Hurricane Hunters)」が多くの人々の関心を集めているようだ。

米・商務省機関の一つで、国立気象局 、国立海洋局、環境衛星データ情報局など6つの部局を擁するアメリカ海洋大気庁(=アメリカ海洋大気局 National Oceanic and Atmospheric Administration 略称:NOAA)。その中でも海洋・航空管理事務局のAircraft Operations Center(略称:AOC)は、「‏ハリケーン・ハンターズ(Hurricane Hunters)」という猛者揃いの組織を持っていることで有名だ。

フロリダ州を本拠地とする彼らの使命は、ずばり猛烈な破壊力で人々の暮らしに甚大な被害をもたらすハリケーンの現状や予測をできる限り早く正確に伝えること。AOCが誇るサイエンス・テクノロジーの最新計測機器を積んだ「P-3」「G-IV」といった飛行機の操縦かんを握るのは、民間機なら決して飛ばない悪天候にも慣れている空軍パイロット。嵐の目に向かって果敢に飛んでいく彼らによって集められたデータの計測作業にあたるのは気象学者、電子工学者、航空機エンジニアたちだ。

このたびもカリブ海の小アンティル諸島で最悪の被害が予想されるハリケーン・イルマの正確なデータを得るため、彼らハンターズ部隊はプエルトリコの500kmほど東にあるバーブーダ島に向かて飛び立った。その機内から撮影された衝撃的な写真や映像は彼らのTwitter(https://twitter.com/NOAA_HurrHunter)で閲覧できるようになっており、窓を横に流れる大粒の水滴、厚い雲に突っ込むたびに機器を積んだ棚がガタガタと大きく揺れる様子にはこちらまで手に汗を握る。

彼らの公式ウェブサイトにたびたび寄せられる質問は、やはり“あなたたちの飛行機はそんな危険なところを飛んでもなぜ大丈夫なのですか?”というものらしい。回答もなかなか興味深いので、最後にそちらを紹介しておきたい。

「飛行中の機体はどんなに強くても風で破壊されるということはまずありません。冬期のアメリカ上空では、風速150m/h超というジェット気流においても飛行機はちゃんと飛行しているのですから。乱気流の原因でもあるように、怖いのは水平方向や垂直方向に風向や風速が大きく変化するウインドシアです。そのため我々は竜巻には出動しません。パイロットはハリケーンの強風の中でも飛行できるよう訓練を受けており、レーダーにより乱気流などのホットスポット情報は常に把握できていますから、そういうところは必ず避けて飛びます。」

画像は『NOAAHurricaneHunters 2017年9月6日付Twitter「Inside the eye of #Irma on WP-3D Orion #NOAA42.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)