上から長尾敬、片山さつき、山田宏、各議員の公式サイトより

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 一昨日、自民党の長尾敬衆院議員が、まったくの虚偽であり醜悪なレイシズムに基づいた「泉放送制作デマ」を記事にしたnetgeekのフェイクニュースを〈拡散!情報戦です!〉などと広めることを呼びかけていた件で、「事実ではなかった」とデマであることを認め、謝罪していたことを共同通信が伝えた。

「泉放送制作デマ」の詳細については本サイトの別記事【http://lite-ra.com/2017/09/post-3435.html】を読んでいただきたいが、しかし、長尾議員はこの期に及んで、性懲りもなくデマを流し続けている。

〈南京大虐殺はありませんでした。これが私の理解です。〉

 泉放送制作デマについての共同記事が出たまさにその日に、長尾議員はこうツイートしたのだ。これは記事を受けてTwitterユーザーから、過去に長尾議員が「『南京大虐殺』の歴史捏造を正す国民会議」の集会の告知をおこなっていたことを問いただされたのに対し、〈あったという証明がなされていない以上、削除をする事は出来ません。お断りいたします。〉と返答し、続けてツイートしたもの。

「南京大虐殺はなかった」。これも立派なデマだ。長尾議員は「あったという証明はなされていない」などと述べているが、1937年の南京陥落前後に日本軍が中国人捕虜や民間人を虐殺したことは日本政府も認めている客観的事実である。

 しかも、第一次安倍政権時の2006年、安倍首相の訪中によって実施合意にいたった日中歴史共同研究でも、日本側は論文に〈日本軍による捕虜、敗残兵、便衣兵、及び一部の市民に対して集団的、個別的な虐殺事件が発生し、強姦、略奪や放火も頻発した〉〈(犠牲者数は)研究では20 万人を上限として、4万人、2万人など様々な推計がなされている〉と記している。

 にもかかわらず長尾議員は、〈南京34名です。詳しくは、水間正憲著、完結南京事件を読んでください!〉(原文ママ)というリプライに対し、〈はい、水間先生のご著書は、客観的かつ理論的です。〉と返答。日本政府の見解を無視して、歴史学者でも何でもない自称「近現代史研究家兼ジャーナリスト」の極右運動家である水間政憲氏のトンデモ歴史修正本を「客観的かつ論理的」などと言うのだ。

 デマとヘイトにまみれたnetgeekの記事を拡散したことといい、この程度のリテラシーの持ち主が国会議員を務めている現実には頭が痛くなるが、こうして今回、デマを謝罪しても、また別のデマを拡散している態度からは、長尾議員がまったく反省していないことがよくわかる。いや、そもそも長尾議員は"デマの常習犯"であり、それはネトウヨと寸分違わない。

●長尾議員はデマの常習犯!沖縄ヘイトデマ、日当デマで卑劣な沖縄いじめ

 長尾議員のデマ拡散のなかでもとくに酷いのは、沖縄に対するものだ。長尾議員は2015年に問題となった文化芸術懇話会で「(沖縄メディアは)左翼勢力に乗っ取られている」などと言い放った人物だが、Twitter上でもそうした主張を繰り返してきた。

 たとえば2013年には〈オスプレイ反対運動の背景には、中国共産党が見え隠れします〉などという何の根拠もない投稿をおこなったほか、2014年には〈(基地反対運動に参加する高齢者は)彼等は仕事として運動をしており、日当・交通費も支給されています〉〈沖縄へ視察に行きますと、こういう裁判で勝ち得た賠償金が、プロ市民の活動資金に流れているという話しを、聞かずに日程を終えることはありません〉と、これまたネトウヨの定番となっている日当デマを流した。

 ひとつひとつ潰していくと大変な分量になるので簡単に反論しておくと、中国共産党の謀略論については本サイトの過去記事「公安調査庁が沖縄の反基地世論を「中国の分断工作」とするネトウヨ並みデマ報告書! 組織維持目的で沖縄を利用か」【http://lite-ra.com/2016/12/post-2796.html】で反証している。また、「日当支給」についても、基地に反対する一部の市民団体が中心メンバー数人に行動費として月1万円を出したり、一部、食費を出すこともあるというが、参加者のほとんどは交通費も弁当代も自己負担しているのが実情だ(『これってホント!? 誤解だらけの沖縄基地』沖縄タイムス社編集局・編著/高文研)。結局、長尾議員は何の証拠も出さず、ネトウヨが流布する陰謀論デマを垂れ流し、拡散させることで沖縄の基地反対運動を貶めてきたのである。

 しかし、うんざりするのは、このようなヘイトデマや歴史修正デマ、反対運動に対する不当なデマといった、デマのなかでも悪質極まりないものを平気な顔をして拡散させてきた自民党議員は、けっして長尾議員だけではない、ということだ。

 なかでも、長尾議員と並ぶ"デマの常習犯"なのが、片山さつき参院議員だろう。

 2014年に御嶽山が噴火した際には〈民主政権事業仕分けで常時監視の対象から御嶽山ははずれ〉たなどとツイートしたが、実際は御嶽山が観測強化対象から外れたのは麻生政権時だったことが判明し謝罪。だが、さらにひどかったのが、2012年に片山議員が国会で意気軒昂に取り上げたデマだ。片山議員は同年3月に開かれた参院総務委員会で、こんなことを言い出したのだ。

「NHKの音楽番組『MJ』では韓国人グループ・歌手の占有率が36%。これでは"ミュージックコリア"だ」

●片山さつきは2ちゃんねるを情報源に、嫌韓、生活保護バッシングを煽動!

 仮に「36%」だったとして国会で取り上げる問題なのか?と思うが、しかし、同番組の韓国人グループ・歌手の出演率は約11%でしかなかったことがすぐさま判明、片山のデマだったことが証明されてしまった。一部では、この「占有率36%」というのは2ちゃんねるに書き込まれた情報で、それを片山が調査もせずに鵜呑みにしたのではないかと言われているが、片山議員は性懲りもなくその2カ月後にも同じようにデマを吐いた。同年5月、片山が煽動した生活保護バッシングに絡んでテレビ番組で千原せいじが「片山の夫がかつて会社を倒産させた」旨を語ったことを、「片山の夫の会社を潰すと公共の電波でおっしゃった」などと歪曲して生放送の報道番組で涙ながらに熱弁したのだ。じつは、この千原の発言も、2ちゃんねるの書き込みを確かめもせず事実のように語ったのではないかと見られている。

 2ちゃんねるを情報源にしたデマを国会やテレビで流し、嫌韓や生活保護バッシングに利用する──これが「東大を首席卒業した」と自慢する政治家の実態なのである。

 このうんざりするようなデマ拡散自民議員は、長尾・片山に留まらない。たとえば山田宏参院議員は、2016年10月、こうツイートした。

〈今日はシンポジウム参加と研修で沖縄。翁長知事の建てた国辱的な4本爪の龍柱を見た。中国からのフェリー乗り場近くにある。かつてシナ皇帝だけが5本爪の龍を使え、シナの冊封を受けた属国は、4本以下の爪の龍。単なるモニュメントでは済まされない、翁長知事の危険な政治的メッセージだ。〉

 もはや「とほほ」という乾いた声しか出てこないが、このツイートには多くの人が呆れかえり、すぐに〈明治4年発行「十圓金貨」。龍の爪は3本〉〈孝明天皇礼服(袞龍の御衣)。龍の爪は3本または4本〉〈京都御所建礼門の龍の爪は3本ですが〉と証拠画像つきで次々に投稿がなされた。

 また、自民党の"デマラッシュ"となったのは、民進党の蓮舫前代表の二重国籍問題がバッシングに晒されたときだ。まず、自民党のネット番組「CafeSta」では、自民党ネットメディア局次長の大西宏幸衆議院議員が「台湾・中国・日本で三重国籍である疑惑もあったりするんですよね」などと発言。本サイトでは何度も書いてきたが、日本と台湾、中国の三重国籍などということは中国の国籍法上、不可能なことであり、これは明確なデマだ。

 さらに、当時、自民党ネットメディア局長だった菅原一秀衆院議員は、党の会合で蓮舫前代表が「自分が日本人に帰化したことが悔しくて悲しくて三日三晩泣いた、と自らブログに書いている。人気があるからといって選ぶような都民はいないと思うが、選挙はえてしてそういうものだ」などと発言。しかし、蓮舫前代表のブログにはそんな記述は一切なく、元ネタはネット右翼が根拠もなくばらまいたデマだったことが判明している。

●息するように嘘をつき、デマを撒き散らす安倍首相のフェイクニュース体質

 このように、馬鹿馬鹿しいデマを拡散させてきた自民党議員はこのほかにも山ほどいる。いつのまにか自民党は「デマ拡散」を党是にしたのではないかと思えるほどだ。しかし、こうした現在の自民党デマ拡散体質の元凶は、言うまでもなく自民党総裁である安倍首相にあるはずだ。なぜなら、安倍首相こそ、見境なくデマを乱発してきたからだ。

 現に、東京五輪招致プレゼンでの「(福島の)状況はコントロールされている」発言や、2011年5月20日には自身のメルマガで〈やっと始まった海水注入を止めたのは、何と菅総理その人だったのです〉〈これが真実です〉と書いたこと(実際には海水注入を止めるよう指示したのは東京電力の武黒一郎氏で、故・吉田昌郎所長はその指示を無視して海水注入を継続させていた)など、安倍首相によるデマ拡散は挙げ出せばキリがないが、悪質極まりないのは、2016年、自らの公式Facebookで「年金損失はデマ」というデマ情報を流していたことだろう。

〈「株価下落により、年金積立金に5兆円の損失が発生しており、年金額が減る」といった、選挙目当てのデマが流されています。しかし、年金額が減るなどということは、ありえません。このことを明確に申し上げたいと思います〉

 だが、これこそが選挙目当てのデマだった。安倍政権は前年度の運用成績の公表時期を例年とは違い参院選後にするという姑息な手段を講じており、この投稿も選挙を見越したものだった。しかし、投稿から4日後には、2015年の公的年金積立金の運用成績が5兆円を超える大損失を出していたことを朝日新聞がスクープし、安倍首相のほうがデマを流していたことが判明したのだ。

 また、今年も、森友学園問題で昭恵夫人が100万円の寄附をおこなったのかと国会で追及される最中に、安倍首相はこんなデマをもち出した。

「辻元議員、辻元議員はですね、メールのなかに書かれていたことはですね、きょう産経新聞に『3つの疑惑』が出ていましたね。これ一緒にするなとおっしゃっていますが、これをそんなことはなかったと辻元議員は否定しているわけでありまして、それを証明しないといけないということになりますが」

 安倍首相が述べている産経新聞による辻元清美議員の「3つの疑惑」と称した記事がデマであったことは既報の通り【http://lite-ra.com/2017/03/post-3036.html】だが、安倍首相は裏付け調査もせず、デマを事実であるかのように取り上げ、国会で追及材料にしたのである。

 この稀代のデマ拡散政治家が総裁なのだから、自民党議員が平然とデマを流し続けるのも当然と言うべきだろう。しかも、ここに挙げたデマ拡散をおこなった議員および安倍首相は「事実はどうでもいい」と考えてデマを流していることは明白だ。自分たちにとって都合がよければ、それがたとえ嘘でもデマでも、真実のように流布できれば勝ち──。まさにいまの安倍自民党は、目的のためには手段を選ばない"フェイクニュース体質"でできあがっているのである。
(編集部)