超大型ハリケーン「イルマ」、カリブ海諸島で大被害 「ほぼ居住不可能」な島も

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米国立ハリケーンセンター(NHC)によると、カリブ海の複数の島に甚大な被害をもたらしている超大型ハリケーン「イルマ」は6日、米領プエルトリコの北を進んでいる。これまでに少なくとも7人が死亡した。

ハリケーンの等級として最大の「カテゴリー5」になる「イルマ」に直撃された、バーブーダ島が「ほぼ居住不可能」なまでに破壊されたほか、仏領サン・マルタンもほぼ破壊されたという。

過去10年来、大西洋で最大のハリケーンは最大風速約82メートルで、7日にもドミニカ共和国の付近か、北方沖を通過する見通し。

米国がハリケーンの分類に使うサファ・シンプソン・スケールの「カテゴリー5」は、風速70メートル/秒以上で、多くの建物が破壊され、幹線道路が切断される状態を指す。

大西洋上ではさらに2つの熱帯性暴風雨が勢力を強め、ハリケーンに成長している。

「イルマ」は最初に、2つの島からなる国、アンティグア・アンド・バーブーダを直撃。少なくとも子供1人が死亡した。ガストン・ブラウン首相によると、バーブーダ島では建物の95%が何らかの被害を受けた。

約1600人が住むバーブーダ島を上空から視察した後、首相は「島は文字通り、水に漬かっている。今の状態ではバーブーダはほぼ居住不可能だと考える」と話した。一方で、人口8万人のアンティグア島では大きな被害はなく、死者も出ていないという。

人口約300万人のプエルトリコでは、大雨と強風によって、住民の半数以上の世帯で停電。地元当局によると、停電は数日続く可能性がある。

仏領サン・マルタンと、人気リゾート地のサン・バルテルミでも、少なくとも6人が死亡し、かなりの被害が出ているという。

カリブ海で3番目に大きいサン・マルタンの空港は破壊され、地元当局によると、領内の建物のほとんどが全壊した。

住民は飲料水も電気もない状態だという。

同じ島の南半分のオランダ領シント・マールテンでも、深刻な被害が報告されている。

ドナルド・トランプ米大統領は、ホワイトハウスで記者団に対し、自分もスタッフも「イルマ」の状況を注視していると話した。

「だが、良くないものになるかもしれないように見える。本当に、良くない」とトランプ氏は述べた。

大統領はフロリダ州、米領プエルトリコ、米領バージン諸島に非常事態を宣言した。

米本土にどの程度影響するかはまだ不透明だが、10日にもフロリダ州を直撃する可能性もある。

同州南端のキーズ諸島では、住民や観光客の避難が始まっている。

ボリス・ジョンソン英外相は、「イルマ」の影響を受けている英領諸島と連絡を取り合い、「被害に遭った人たちを助けるためできる限りのことをしている」と話した。

NHCによると、大西洋上ではプエルトリコの東南東の洋上で、熱帯性暴風雨だった「ホセ」が勢力を強めて「カテゴリー1」のハリケーンとなり、8日には大型ハリケーンに近くなる可能性がある。進路はまだ不明だが、すでに「イルマ」被害を受けた地域が再び、風雨にさらされる恐れもある。

さらに、メキシコ湾上の暴風雨「カティア」もハリケーンになり、メキシコ・ベラクルス州に警報が出た。

大西洋上の同じ海域で複数の嵐が相次ぎ発生すること自体は珍しくないが、強大な勢いのハリケーンが同時発生するのは珍しい。

同じ季節に「カテゴリー4」の暴風雨が米本土を連続して直撃する事態は、観測記録を取り始めて以来、起きていない。

(英語記事 Hurricane Irma: Puerto Rico braces for powerful storm