(写真提供=SPORTS KOREA)

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平昌五輪の開幕まで約半年となった現在、韓国で注目を集めている競技の一つがショートトラックだ。

韓国は伝統的にショートトラックが強く、メダルが確実視されているのである。

実際、これまで韓国が五輪で獲得した26個の金メダルのうち、実に21個がショートトラックで獲得したものだった。

それゆえ韓国では、スピードスケートと並んで、「(国に)孝行している」という意味を込めて“ヒョジャ(孝子)”種目と呼ばれることもあるほどだ。
(参考記事:平昌五輪で注目必至!“氷上の女神”キム・ボルムのSNSが韓国で大人気

元日本代表選手が指導

そんなショートトラック競技において、日本と韓国には浅からぬ縁がある。

互いに両国のコーチを登用し合っているのだ。

韓国のショートトラックを指導しているのは、古屋由布子コーチ。

元日本代表であり、2003年のユニバーシアード冬季競技大会では女子3000mリレーで3位に輝いており、過去には女子3000mの日本記録も持っていた実力者だ。

彼女は2016年に韓国の有望選手たちが日本で合宿を行った際にコーチを務めており、当時はその指導について、複数の韓国メディアが報じていた。

韓国人コーチが犯した罪

一方、日本のショートトラックを指導している韓国人コーチは、少々“ワケあり”だ。

コーチの名はチョン・ジェモク。

日本スケート連盟には所属していないが、自身を個人的に訪ねてくる日本の選手を受け入れ、指導しているという。

今年7月には韓国で、ソチ五輪出場の坂爪亮介や世界選手権女子3000mリレーで銅メダルを獲得した斎藤仁美ら日本代表選手たちの合宿を指導し、『朝日新聞』のインタビューも受けている。

それほど実力のある選手たちから慕われているチョン・ジェモクコーチだが、あえて韓国代表ではなく日本代表を指導しているのには事情がある。

彼は現在、韓国スケート界から“永久追放”されているのだ。

チョン・ジェモクコーチが犯した罪は、八百長だった。

それは2009年に開かれた、翌年の世界選手権の代表選抜戦で、イ・ジョンス選手が優勝するよう、クァク・ユンギ選手に指示を出したというものだ。

さらには、この八百長によって各種国際大会への出場権を獲得したイ・ジョンス選手に、その“お返し”として世界選手権を棄権するよう圧力を加え、他の選手が優勝するよう手を加えたのだという。

この事件は“優勝の分け合い”と呼ばれて韓国社会に大きな波紋を広げ、チョン・ジェモクコーチには「永久除名」処分が下されたのだった。

こうした事情もあって現在は日本代表を指導しているわけだが、いずれにしても、ショートトラックを通じた日本と韓国の交流そのものは歓迎されるべきことだろう。

それぞれのコーチが指導し合う日韓のショートトラック代表は、平昌五輪では、どんな競技を見せてくれるだろうか。

(文=李 仁守)