セッションズ司法長官はDACAプログラムの廃止を公表した。(Alex Wong/Getty Images)

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 トランプ政権は9月5日に、DACA(ダカ)計画の廃止を発表し、代替策の立案を国会に要請した。同日行われた記者会見でセッションズ司法長官は、DACA計画は議会承認を得ず、大統領令で成立したもので、オバマ氏が「移民法」を回避して行政機関に法案を成立させたことは違憲だと述べた。

 トランプ大統領はツイッターで、「議会はこれから6カ月かけて、DACAの法制化に取り組む。できなければ、自分がまたこの問題を見直す」と述べた。

 国家安全保障省は2018年3月までを猶予期間とし、全廃は2020年を予定している。同省のイレイン・デューク長官代理は6カ月の猶予期間について、国会がDACAプログラムの代替となる「法案を制定するための時間」であり、今後のDACA申請を却下すると発表した。

DACA廃止を巡り意見対立

 DACA廃止に反対する民主党に対し、与党・共和党内でも意見はまとまっていない。DACAを廃止するが約80万人におよぶ該当者に一定の保護を与えるべきとの論調と、すぐに全廃すべきとの論調が対立している。

 共和党支持者の多い州の検察長官らによれば、DACAプログラムは合衆国憲法に違反し、法治国家に対する挑戦にほかならない。彼らはトランプ政権が行動に移さなければ連邦政府を訴えると主張し、トランプ氏に圧力をかける。

 さらに、トランプ氏は大統領選で違法入国者に対し厳しい態度で接すると主張し続けてきたため、移民に反対する団体からは公約を果たすよう求める声が出ている。また、多くの共和党議員は米国の保守的な地域から選出されているため、対応の遅れが発生すれば2018年の中間選挙にも影響が出かねない。

 いっぽう、下院議長ライアン氏をはじめとする一部の共和党員はトランプ氏に対し、DACAの廃止には時間をかけるべきで、国会に議論する余地を与えるべきだと提案している。

 共和党上院議員のランクフォード氏は声明で、「故意に違法な手段でこの国家に進入した者たちが、相応の結果を負うのは当然だ」「しかし、子供たちが親の行為に法的責任を負わせるべきではない」と意見を述べている。

 移民の受け入れを支持する団体FDW.usのシュルツ代表はDACAプログラム該当者に対し同情的だ。シュルツ氏によると、DACAプログラムの該当者はアメリカの企業に就職し、軍隊に加入し、そしてテキサス州の災害救助活動にも参加した。もしDACAを廃止し代替案となるような法案を作らなければ、彼らはことごとくクビになり、アメリカで育った多くの青年を国外に追い出さなければならないだろう。

 DACAプログラムの廃止及び申請却下決定を下した理由についてトランプ氏は次のように述べている。「私は、親の違法行為で未成年を処罰することには反対だが、彼らの多くはすでに成人している。しかし認めなければならない事実もある。米国がチャンスあふれる国家となれたのは、法治国家であるからだ」。

 世論調査会社「ピュー・リサーチセンター」の統計によると、アメリカに居住する不法移民は2014年、推定1100万人。大統領は、不法移民の取り締まりは、選挙公約の実行としており、2016年CBSのインタビューでも、「不法移民200〜300万人のギャングや麻薬密売人となった犯罪者を追放するか、収監する」と述べた。

(翻訳編集・文亮)