男が警察官の前で、ポケットから白い粉の入ったビニール袋を落とす。慌てて拾い上げて逃げ出す。追いかける警察官......YouTube(ユーチューブ)に載った動画だが、実はこれドッキリで、白い粉はただの砂糖。しかし再生回数が増えると、話はにわかに生臭くなってくる。

動画のタイトルは「覚せい剤いたずらドッキリ」。砂糖をビニール袋に小分けにするところから始まり、男が街に出て、わざとポケットから落とす。知らん顔の人、声をかける人......最後は交番の前に行って、警察官の目のまえで袋を落とす。慌てて拾って......と冒頭に記したシーンになる。

全力疾走する2人を追うのは、別のカメラだ。警察車両が出動し、男性は身柄を拘束された。しかし、粉は砂糖とわかり、尿検査も陰性で釈放。男性は粉をコーヒーに入れて飲んで見せて、「覚せい剤は絶対ダメ!!」と字幕。

舞台は福井県内。ちょうど男性が拘束されて騒然としているところを、NNNのカメラが居合わせた、というので、プロ視線の映像も混じってややこしいが、ドッキリに付き合わされた警察官、パトカーは大変な数であることがわかる。

この動画は先月(2017年8月)30日に投稿され、再生回数130万回に達した。男性とみられるブログには、「久しぶりに視聴回数がガンガン上がってますね」と書いていた。ここから話は生臭くなる。

100万回再生なら10万円〜30万円に

再生回数が多いと、広告が入る。再生1回につき0.1〜0.3円が投稿者に入る。100万回なら、10万円〜30万円というわけだ。専門家によると、こうした動画投稿で生計を立てているユーチューバーは日本だけで500人、年収が数億円の人もいるという。再生回数を増やすために、過激な動画が増えていくというわけだ。

この男性はブログで、「自分なりに超えちゃダメなラインは決めてある。いたずらドッキリの線引きは人それぞれだから、批判もされるだろうけど、とりあえず全力でやる」(9月1日)と書いていた。

司会の加藤浩次「またか、という感じ」

松嶋尚美(タレント)「警察をなめんなよ、と言いたくなる。もうちょっと厳しくしてもいいんじゃない」

宇野常寛(評論家)「尺度はお前の決めることじゃないだろ。この種のバカは、興味本位のものを流していくと、どんどん劣化していく」

加藤「真面目なユーチュバーもいるのに、こういうのが出ると、YouTube自体が、あれっと思われてしまう」

宇野「僕らもこういうのを見たら、違反報告するとかしないと」

「スッキリ」コメンテーターの菊地幸夫弁護士に聞くと、偽計業務妨害(3年以下の懲役または50万円以下の罰金)になる可能があるという。しかし、「警察官の場合は、職質や追跡は職業上の行為であり、業務妨害とまで認定される可能性は低い」という。え、警官をおちょくっても罪にならないの?

加藤「YouTubeか広告のスポンサーに責任はないんだろうか?」

坂口孝則(経営評論家)「悪質ないたずら。YouTubeでも、わいせつとか倫理的に問題があるものは、すぐ消える。が、中には悪質なものがある」

加藤「つぶしきれない」

坂口「だから、通報のボタンもあるし、全体の倫理観に任されている」

ろくでもない連中には、ろくでもないものしか作れない。この動画は現在再生出来なくなっているそうだ。