秋山英宏 全米レポート(9)ナダルに粉砕された19歳ルブレフが猛練習を誓う

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19歳のアンドレイ・ルブレフが「Next Gen」を代表して「BIG4」に挑んだ準々決勝は、ラファエル・ナダルの一方的な展開に終始した。

ナダルの動きにはキレがあり、ルブレフの強打を難なく返してしまう。打っても打っても甘いボールが返ってこないことに困惑したのか、ルブレフは無理に攻めてミスを重ねた。3セット、計23ゲームという短い試合で、ルブレフのアンフォーストエラーは43本に達し、ウィナーの18本を大きく上回った。

ひとことで言えば、若さが出た試合だった。第7シードのグリゴール・ディミトロフ、第9シードのダビド・ゴファンを破ったルブレフだが、第1シードのナダルのプレーは手堅く、この試合ではもろさばかりが目立った。

ナダルはコート上でのインタビューで「ルブレフの少年時代のアイドルは君だったようだ」と水を向けられると「僕にもそういうことがあったよ。18歳の頃、尊敬していた選手たちとツアーで対戦した。年はとりたくないものだね」と笑った。

冗談に紛らしたが、試合前には初対戦の19歳を研究し、周到な準備で臨んだはずだ。全米前哨戦のモントリオールでは、18歳のデニス・シャポバロフに敗れていた。次世代の脅威を体感したナダルは、1位対53位というランキングを忘れて臨んだと思われる。

モントリオールではシャポバロフの鋭利なインサイドアウト、つまりコートの中央付近から逆クロスに逃がしていくストロークがサイドラインをとらえ、ナダルは守勢一方だった。ルブレフの武器は深くて力強いクロスと、思い切りのいいダウンザラインだが、パワーで押すストロークは試合が進むにつれて精度が落ちた。

完敗のルブレフは若者らしく、素朴な言葉で試合を振り返った。

「僕は全力で打っているのに、ウィナーを奪うには4本、5本、6本と打たなくてはならなかった。でも彼は、もっと遅いボールで1本か2本打つだけだった」

接戦が期待されたが、終わってみれば、第一人者が若い選手に実戦でレッスンを施す典型例となった。

「できる限りの猛練習をして、もっとうまくならなくてはいけない。この試合は、僕がどれだけ向上しなければいけないか教えてくれた。もっとうまく、もっと強くなるために、今この時からトライしていきたい」

19歳はそんな言葉が似合う年齢だ。10月で20歳になる。来年のグランドスラムでは違うルブレフが見られるはずだ。

(秋山英宏)

※写真は「全米オープン」準々決勝で対戦したルブレフとナダル。お互いの健闘を称え合った。
NEW YORK, NY - SEPTEMBER 06: Andrey Rublev of Russia shakes hands with Rafael Nadal of Spain after Nadal won their Men's Singles Quarterfinal match on Day Ten of the 2017 US Open at the USTA Billie Jean King National Tennis Center on September 6, 2017 in the Flushing neighborhood of the Queens borough of New York City. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)