メッシを中心とした圧倒的な攻撃力で、バルサはローマの堅牢を打ち破った。 (C) Getty Imgaes

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 現地時間9月12日、2017-18シーズンの欧州の頂点に立つクラブを決めるチャンピオンズ・リーグ(CL)が幕を開ける。
 
 各国のスターが集って繰り広げるCLの戦いは、目の肥えた世界中のサッカーファンを唸らせ、興奮させ、そして魅了する。
 
 そんな世界最高レベルのクラブの大会では、今シーズンもグループステージからハイレベルな戦いが展開されるが、ここでは過去に生まれたグループステージにおける名勝負や名場面を、厳選して振り返ってみたい。
 
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 2015年11月24日のグループE・第5節のバルセロナ対ローマの一戦は、前年度の王者がその力をまざまざと見せつけた、まさにCLのレベルの高さを物語る試合だった。
 
 本拠地カンプ・ノウにイタリアの名門ローマを迎えたバルサは、第1節で相対した際に1-1のドローに終わっていたため、その憂さを晴らすべく、立ち上がりから猛攻を仕掛けた。
 
 一方のローマは、本拠地での第1節で自陣深くにブロックを形成して守り倒し、引き分けをもぎ取った戦いから一転、勇猛果敢というべきか、無謀というべきか、最終ラインを押し上げてのハイプレスをかけて、真正面から王者バルサにぶつかった。
 
 互いに攻撃的な激突した試合後、当時ローマの指揮官を務めていたリュディ・ガルシア(現マルセイユ監督)が、「彼らは無敵艦隊だ」と総括したように、バルサは好戦的なローマをいとも簡単に打ち崩す。
 
 相手の最終ラインの裏にスペースがあることを瞬時に察知したバルサの面々は、十八番のポゼッションでボールを支配しつつ、決定的なパスを空きスペースへと通し続けると、15分にルイス・スアレス、18分にリオネル・メッシがそれぞれ決めて、開始早々に試合を決定付けたのだ。
 
「MSN(メッシ、スアレス、ネイマール)」を中心とした王者の猛攻に翻弄され続けたローマは次第に集中力を切らしていき、44分にスアレスがこの日2点目を決めると、完全に意気消沈……。
 
 一度途切れた緊張の糸が再び紡がれることはなく、後半も3失点を喫したローマは、ロスタイムにエディン・ゼコが一矢報いたものの、1-6と無残にも散ったのである。
 
 負けず嫌いとしても知られるローマのフランス人指揮官をして「我々は先制しても負けていただろう。それは彼らの方が強いからだ。勝つことは不可能だった」と言わせるほどに、王者バルサとローマの力の差は明確なものだった。
 
 文字通りの圧倒的な強さを見せつけての大勝劇は、そんなバルサを倒さなくては欧州の頂点には立てないと、改めてCL制覇の難しさを世に知らしめた印象深い一戦として、今も人々の脳裏に焼き付いている。
 

 
 ここ十何年のCLのグループステージの歴史を振り返ると、日本人選手による活躍も目立つ。そのなかで最も鮮烈なインパクト残したと言えるのが、現在ジュビロ磐田に所属する中村俊輔だろう。
 
 当時スコットランドの超名門セルティックに所属していた中村は、同じグループに入った強敵マンチェスター・ユナイテッド戦において、まさに歴史的名場面を作り出した。
 
 まず魅せたのは2006年9月13日、敵地オールド・トラフォードに乗り込んでのグループ初戦だ。1-2でビハインドを負って迎えた43分、その時が訪れた。
 
 敵ゴール前約30メートルの位置でFKのチャンスを得た中村は、伝家の宝刀である左足を一閃。ボールは完璧な弧を描き、ネットを揺らした。
 
 この時、マンチェスター・Uのゴールを守っていたオランダの名手エドウィン・ファン・デルサールが一歩も動けなかったことからも、そのキック精度の高さが窺い知れた。
 
 CL史上初となる日本人得点者となった中村。試合は惜しくも2-3と競り負けたが、日本が世界に誇るファンタジスタの躍動は、これだけに止まらない。2006年11月21日、マンチェスター・Uとのリターンマッチで再び見せ場がやって来たのだ。
 
 舞台は本拠地セルティック・パーク。クラブ史上初となるCLグループステージ突破がかかった一戦とあって、スタンドは超満員となっていた。しかし、ファンの思いとは裏腹にセルティックはマンチェスター・Uの堅守に苦しみ、終盤に入っても無得点のままだった。
 
 そして、スコアレスで迎えた81分だった。中村にグループステージ初戦と同じような位置でのFKのチャンスが訪れる。
 
 スタンドの目線が、この日本人キッカーに注がれるなか、冷静にゴールを見定めたレフティーは、またも鮮やかな軌道のボールをゴールへと蹴り込み、ファン・デルサールの牙城を崩したのだ。
 
 結局、このFK弾が決勝点となり、セルティックは勝利。クラブ史上初のCLグループステージ突破という悲願を達成し、この瞬間、中村はセルティックのレジェンドとしてその名を歴史に刻むこととなった。
 
 試合後にファン・デルサールが、「言い訳するわけではないけど、あんなキックを蹴られたら、GKにできることなんて何もない」と漏らしたほどの鮮烈なキックは、今なおセルティックのファンの間では語り草となっており、ちょうど10年目が経った昨年には、「10年前の驚くべき出来事」としてクラブがこの歴史的瞬間を紹介している。
 
 この中村の活躍以降、本田圭佑や香川真司、内田篤人、長友佑都、岡崎慎司など、多くの日本人選手たちが、欧州最高峰のピッチに立ってきた。
 
 そして今シーズン、ドルトムントの香川が唯一の日本人としてCLの舞台に上がることになるが、そのパフォーマンスには、大いに注目したい。



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