サウジ戦の勝利で日本は勢いに乗った。写真:サッカーダイジェスト

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 今回の最終予選を振り返ると、文字通り日替わりヒーローが生まれた。
 
 昨年9月6日のタイ戦では、同予選で初スタメンの浅野拓磨と原口元気が揃ってゴール。続くイラク戦は、途中出場した山口蛍の劇的な決勝弾で勝利を収めた。

 そしてホームのサウジアラビア戦で今予選初出場の大迫勇也がCFとして躍動すれば、敵地のUAE戦では久保裕也、さらに長谷部誠の代わりに中盤を任された今野泰幸も決定的な仕事をしてアピール。ホームのオーストラリア戦では井手口陽介が弾丸ミドルを突き刺すなど、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の采配が面白いように当たった。
 
 とはいえ、すべてが上手くいったわけではない。

 UAEとのホーム初戦でA代表デビューした大島僚太は2失点に関与。今年3月のタイ戦で本職のSBではなくボランチに抜擢された酒井高徳は不安定なパフォーマンスに終始するなど、采配が裏目に出た試合もあった。
 
 本大会出場を決めた今だからこそ安堵感はあるが、最終予選の開幕当初は期待よりも不安が先行していた。

 UAE戦で悪夢の逆転負け、続くタイ戦では決定力不足を露呈。予選3試合目のイラク戦も相手ペースの時間帯が多く、アウェーのオーストラリア戦は追いつかれてのドローと、どこかすっきりしない内容だった。
 
 期待が膨らみ始めたのは、その次のサウジアラビア戦からだった。
 負ければ予選突破が厳しくなるホームのサウジアラビア戦でハリルホジッチ監督はそれまで日本代表を牽引してきた本田、香川、岡崎慎司をスタメンから外す代わりに、右ウイングに久保、トップ下に清武弘嗣、CFに大迫勇也を先発させた。
 
 この日の日本は、立ち上がりから攻守の切り替えが早いサッカーを展開。なかでも光ったのは、DFを背負いながらも抜群のキープ力で味方の攻め上がりをサポートした大迫の働きだった。このCFがボールをしっかりと収めてくれたおかげで、攻撃に厚みが出るようになり、試合の主導権も握れるようになったのだ。
 
 予選前半戦の山場だったサウジ戦を制した日本が今年3月のUAE戦、さらに8月のオーストラリア戦で快勝できたのも、大迫が前線の基準点として機能していたのが大きい。事実、大迫を欠いたホームのタイ戦、アウェーのサウジ戦ではボールの収まりどころがなく、攻撃に躍動感がなかった。これは単なる偶然ではないだろう。
 
 大迫はハリルジャパンを上昇気流に乗せた救世主的存在と言っていいのかもしれない。

文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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