学歴も職歴も荒れているため、ステップアップがしっかりある企業には受かりません(写真 : プラナ / PIXTA)

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初めまして。とある小さな人材会社で人材コーディネーターを行なっている者です。
私には今年30歳になる兄がいますが、20代にいろいろあり大学中退に職歴も3社。経験業界業種も飲食(販売)・製造(作業)・開発企業(営業)とばらばら。
今後は営業として成長していくことを考えているのですが、業界親和性がなかったりとなかなかステップアップがしっかりある企業には受かりません。まだ人生をあきらめるには早すぎるけど、学歴も職歴も荒れているため当社の案件には(求人数も少ないため)紹介できません。
兄妹なので情があり、なんとかしてあげたいのですがどのような就職活動をアドバイスしたらよいでしょうか? 長々と失礼しました。
会社員(営業) 悩める29歳

ご自身もお忙しいであろう中、お兄様のご心配をされるあたり、悩める29歳さんのお人柄が伝わってきますね。

さて、30歳になるお兄様のキャリアについてですが、まず30歳という年齢を考えると学歴うんぬんはもはや何も意味を成しませんので、職歴に絞って考えるべきです。今まで業界や業種は違えども3社経験をされてきているということは、まずお兄様には働く意欲自体はあるということだと思います。

ひとつの会社で実績を出すことに注力するべきだ


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したがって、スタート地点には立っているわけですから、あと考えるべきは就職に関して背中を押すことではなく、仕事に対して現実的になることを手助けすることではないでしょうか。

つまり、年齢を考えると「短期的には」理想の仕事や職場などの幻想をもっている場合ではなく、まずはひとつの会社で実績を出すことに注力するべきなのです。会社の規模なんぞは関係ありませんし、ましてや業界などもここでは関係ありません。

なぜか? それは現在の状況では、お兄様は非常に残念ながら職歴書に記載する事項がないからだと思われるからです。当然名前や勤務先名は記載できるでしょうが、ここでいう職歴書に記載する事項というのは、個人に帰属する「具体的実績と成果」としての経験のことです。

実はこれはよくある話で、職歴書に勤務先名と所属部署に加え、「所属部署の担当する業務内容そのもの」を記載している人を非常に多く見ますが、これは「見られない職歴書」の典型です。

たとえば、「経理部門所属」で「月次決算業務」と記載するなど、ですね。経理がそういった業務をやるのは当たり前のことで、インタビューをする側が知りたいのは、その中で具体的に候補者がどんな業務を担当し、どんな実績を上げたのか、です。作業のお題目が知りたいわけではありません。ストレートに「入社初日から何ができるのか」を知りたいのです。

お兄様のケースでは、現状そのような具体的に記載できる事項がないがゆえに、採用者に「刺さる」職歴書を書けない状態なのです。そのためには、まずはどんな小さな会社でもよいから、自分自身の経験だと断言できる経験と実績を積むことが大切です。(現在職探しをされているという前提で)お兄様の年齢を考えますと、おそらく次の会社が最後のチャンスである可能性が高いです。

現時点ではキャリア上の軌跡が、言葉は辛辣ですが、何もないわけですから、前述のとおり「短期的には」つまり、次の職では理想論を振りかざして学生のような思考回路になるのではなく、文字どおり最後のチャンスだと認識して、仕事があるだけでも感謝して、辛くとも成果を出すまで踏ん張るべきです。

そうでないと、この先のキャリアを描くのは非常に難しいでしょう。今でさえも、大半の会社からは「戦力にあらず」として採用されないのが現実でしょう。ただし、まだ30ですから、その先をどのように過ごすかによって、まだ人生を立て直す可能性のある年齢とも考えられます。

次の5年間で何をするかが人生を左右する

そのためには、自分が出遅れているという認識を強烈に持ったうえで、それこそ向こう5年間は仕事と仕事に関係する勉強以外は何もしないくらいの覚悟で、必死で自分のキャリアのスタート地点に立つ準備をするべきなのです。

次の5年間なんて、その先の数十年間と比べると大した期間ではありません。その間に何をするかが、今後のお兄様の人生を左右すると思ってください。営業でこの先やっていきたいなら、営業関係の仕事を見つけ、まずは小さくてもよいから歯を食いしばって結果を出すことに注力させましょう。支店営業成績トップでも、社長賞でも何でもよいのです。

小さなことを成し遂げられない人には大きなことを成し遂げることはできません。そういった小さな積み重ねが、やがてテコのように大きな力へとつながるのであり、これは誰にでも当てはまることです。

その期間は、お兄様が仕事をした軌跡を、職歴書を今後書けるようになる修業の期間です。そしてそれが、というよりもむしろ、唯一それがすべてのスタートになるとご認識ください。

理想論を語る、理想の職場を探すのはその先です。まずは人に評価される「仕事」をさせましょうよ。悩める29歳さんのお兄様のご健闘を応援しております。