加えてICS装着車は約9割も事故が減少!

 トヨタ自動車は8月28日、安全支援技術による事故低減効果とさらなる普及に向けた設定の拡大計画、さらにはカーオーナーに向けた安全啓発活動の拡充計画について公表した。 そのなかでとくに興味深いのは、2015年12月から2016年12月に販売された新型プリウス約24万7000台を対象とした、安全支援技術による事故低減効果のデータ。

 約24万7000台のうち、歩行者検知機能付きプリクラッシュセーフティシステム、ステアリング制御付きレーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビーム、ブレーキ制御・全車速追従機能付きレーダークルーズコントロールを実装する「トヨタセーフティセンスP」搭載車は約8万4000台。

 これに駐車場でのペダル踏み間違い・踏みすぎなどによる事故防止を支援する「インテリジェントクリアランスソナー」(ICS)を加えた車両は約12万1000台、いずれも搭載していない車両は4万2000台となっている。

 これらについて、交通事故総合分析センター(ITARDA)の事故データをもとにトヨタが独自算出したところ、追突事故について「トヨタセーフティセンスP」搭載車は非搭載車に対して約5割、「トヨタセーフティセンスP」とICS双方の搭載車では非搭載車に対し約9割、事故件数が減少した。

「トヨタセーフティセンスP」とICSを装着する車両は、経済産業省、国土交通省など政府が官民連携で推奨する安全運転サポート車のうち、高齢運転者に特に推奨する「セーフティ・サポートカーS(通称:サポカーS)」のうち、自動ブレーキ(対歩行者)、ペダル踏み間違い時加速抑制装置、車線逸脱警報、自動防眩型前照灯などの先進ライトを搭載する最上級ランク「ワイド」に適合する。

 トヨタでは「トヨタセーフティセンス」を、本年中に日本・北米・欧州で販売するほぼ全ての乗用車に設定完了。「トヨタセーフティセンス」とICSを組み合わせて装着する車両の設定を、コンパクトカーも含めて2018年度末までに販売車両全体の約9割まで拡充する方針を明らかにしている。

 そして、車両に対する安全支援技術の普及拡大に加え、ドライバーや歩行者などの人への安全啓発活動を拡大。カーオーナーの安全・安心を目指す「サポトヨ」活動として、全国のトヨタ販売店と連携して実施する。

 今年より販売店の店頭で実施している「ICS体感試乗会」のさらなる拡大に加え、これまでメーカー主導で行ってきた「トヨタセーフティセンス」の自動ブレーキ体感においても、販売店独自開催による実施を拡大する。 いずれも、販売店スタッフに対しライセンス取得制度を設けることで、安全な運営とカーオーナーへの適切な説明を徹底。より多くのカーオーナーに体験してもらうことで、安全機能の正しい理解を促す。

 このうちICS体感試乗に関しては、まず年内に全国のトヨタ販売店280社で実施可能な体制とし、2018年6月までにはICS体験試乗用のスペースを確保できる店舗すべてでの実施を目指す。

 また、昨年より販売店とともに進めている、薄暮時・夜間等の歩行中の交通死亡事故の防止のためより遠くを照らすことで視界を広げることができる「ハイビームの有効活用」と、歩行時に運転者に対して自分の存在を知らせることができる「反射材着用」を推奨する交通安全啓発活動「マチホタル計画」を今後も継続し、夜間事故低減に取り組む。

 その他の交通安全啓発活動についても、順次「サポトヨ」活動として実施することで、トヨタは「交通事故死傷者ゼロ」という究極の目標に向けて「人・クルマ・交通環境」の三位一体の取り組みを推進していく計画。

 なお、スバルは昨年1月に「アイサイト(Ver.2)」、ボルボ・カー・ジャパンは昨年10月に「オートブレーキ・システム」搭載車について、事故低減効果のデータを公表しており、いずれも追突事故において非搭載車に対し約8割事故件数が減少したとしている。トヨタが今回同様のデータを公表したことで、予防安全技術が事故低減に大きな効果を発揮することが改めて裏付けられたといえるだろう。