もともとサウジ国民の支持が厚かったムハンマド皇太子。今回のナイスアシストで、その人気はさらに盤石に。(C)REUTERS/AFLO

写真拡大 (全2枚)

 超満員に膨れ上がったスタジアムで日本を1-0で撃破し、3大会ぶりのワールドカップ出場を決めたサウジアラビア代表。国中が歓喜と熱狂に包まれた。
 
 一夜明け、複数の地元メディアはこぞってひとりの人物を取り上げた。ほかでもない、サウジアラビア王国のムハンマド・ビン・サルマーン皇太子だ。
 
 もともとフットボール好きのムハンマド皇太子は、日本とのジッダ決戦を前に、いまひとつ盛り上がらない国内のムードを高めようとアクションを起こす。およそ6万枚のチケットを個人で買い上げ、一般の国民にスタジアムを無料開放すると発表したのだ。この決断と、試合当日の皇太子の振る舞いが、途轍もないパワーを生み出したと、地元紙『Saudi Gazette』が論じている。
 
「プリンスのあの仕掛けがなければ、スタジアムはあれほど盛り上がらなかっただろうし、そもそも満員にもなっていなかっただろう。滅多に試合観戦などしないプリンスが、そこにいる。ともに同じ空間で、ナショナルチームに声援を送る最高の機会を国民は得たのだ。それは選手たちも同じで、大いに奮い立ったに違いない。ムハンマド皇太子は国をひとつにして、王国をワールドカップへと導いたのだ」
 
 国民から絶大な人気を誇るムハンマド皇太子。タイムアップの瞬間は来賓席で立ち上がり、スタンドの国民に向かって両手でV(ヴィクトリー)サインを送ったという。同紙は「とても感動的な光景だった。ファンはみんな口々にこう呟いただろう。ありがとうございます、日本に勝てたのはあなたのおかげです、と。かくも偉大なプリンスだ」と称えた。
 
 世界をも動かす、サウジのロイヤル・ファミリー。この32歳の若き第1皇太子は、本業の政治家としても辣腕を発揮している。

【日本代表PHOTO】日本、敗れる・・サウジアラビアは3大会ぶりにW杯出場権獲得