ニューヨークの「ARChive of Contemporary Music」は、アナログレコード音源をデジタル化したものをウェブ上で無料公開するサービスを始めています。

ここ数年レコードが再ブームの兆しも、遠い昔に発売されたものは忘れられ、レコード自体の劣化もあり、二度と聴けなくなってしまったものも少なくありません。そういった“過去の名盤”を気軽に聴けるようにという思いで始まったのが、この「Great 78 Project」です。

1950年以前の絶版レコード
20万枚を収集

「The Great 78 Project」で扱われる音源のほとんどは、1950年以前に発表されたもの。なかには100年前に録音されたなんてレコードも。

その多くは樹脂製ではなく、非常に脆く壊れやすいセラックという素材で作られていたそうです。適切に扱わなければ、手で触っただけでも壊れてしまうシロモノだとか。そのため、音源が永遠に失われる前にデジタル化が必要となったというわけ。

ARChive of Contemporary Musicは、視聴覚デジタル化ベンダーである「George Blood LP」と、その他ボランティアの協力により、およそ20万枚のレコードを収集。デジタルへの変換を行ってきました。それでも、現在までに公開されているのはおよそ5万枚だというから、数の膨大さを改めて実感してしまいますよね。

レコード独自の音源も再現

古いレコードをデジタル化するのは、非常に複雑なプロセスを経るそうですが、何より重要なのは、音源を再生したときの聞こえ方。マイクロフォンの配置や、周波数などにも考慮する必要があるんだとか。その辺の難しい話は公式サイトで。

とにかく、レコード独自の粗いプツプツとした聴き心地まで忠実に再現できるように、最新の技術を駆使してデジタル化。こうして完成した音源はただの記録というより、歴史的な芸術品としての側面を強く感じてしまいます。

クラシック、ジャズ、ラジオ録音、
戦前の日本歌謡曲まで

公開されている音源一覧を見てみると、さまざまなジャンルのレコードのタイトルが並んでいることに気づきます。ジャズコレクションやクラシック音楽から、古いラジオの録音なんかも見つかりました。アラビア語で書かれたタイトルも目に入ります。ということからも、世界各国で発売されたレコードが集まっていることが想像できます。

試しに日本のものを検索してみると…12枚がヒット。

明治生まれの歌手、小野巡さんや楠木繁雄さんなど、戦前に発表した音源が残っていました。戦前の日本歌謡に触れて、日本音楽の歴史を感じるのもいいかもしれませんね。

音源はこちらのサイトから。もちろん、誰でも無料で聴くことができます。一部はダウンロードも可能。検索欄に「jazz」や「classic」など、お好みのワードを入力するとヒットします。きっと、お気に入りの一枚が見つかるはず。

Licensed material used with permission by Internet Archive,George Blood LP,the ARChive of Contemporary Music