中国メディアの科技日報によると、中国は政府の18項目の国家重点研究開発計画の一つとして、時速600キロのリニアモーターカー、時速250キロの貨物列車など6種類の高速列車の開発を進めている。資料写真。

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中国メディアの科技日報は4日、中国で中央政府・科学技術部による18項目の国家重点研究開発計画の一つとして、時速600キロのリニアモーターカー、時速250キロの貨物列車など6種類の高速列車の開発が進められていると報じた。

中車工業研究院の孫幇(ソン・バン)副院長が8月31日に行われた国家重点研究開発計画の動員会議で、高速列車の開発計画について「2016年に立案され21年までに完成」「総費用は90億元(約1493億円)」などと説明した。同研究院は中国国有企業で世界最大規模の鉄道車両製造会社である中国中車の傘下企業だ。

孫副院長によると、貨物列車については「時速120キロ」「時速160キロ」「時速250キロ」の3種類を開発する。「時速120キロ」の列車は大重量の積載を可能にするもので「ラクダ運輸車」などと呼んでいる。「時速160キロ」の列車は、現在の貨物列車の代替となるもの。「時速250キロ」の列車は、海産物など短時間での輸送を必要とする貨物に用いる。

旅客列車では、国際運輸向けに鉄輪式(従来型の車輪方式)の時速400キロの列車を開発する。習近平(シー・ジンピン)政権が進める「一帯一路」構想と連動するもので、現状では国によってゲージ(線路の幅)、電圧、環境温度、技術標準、信号システムなどが異なるため、すべてを統一して国際列車としての運行を可能にする。

その他、時速600キロの高速リニアモーターカーと時速200キロの中速リニアモーターカーを開発する。孫副院長は高速リニアモーターカーについて「ポスト高速鉄道時代に備えて、技術上の準備をせねばならない」と述べた。

中国ではドイツで開発されたトランスラピッドと呼ばれる方式の磁気浮上式リニアモーターカーが、上海の浦東国際空港と市街地を結ぶ路線で上海リニアとして04年から時速400キロ台で商業運転している。日本ではJR東海が、27年の品川−名古屋間、37年の名古屋−大阪間の開業を目指して、リニア方式による中央新幹線の建設計画を進めている。

トランスラピッド方式は永久磁石と通常の電磁石を用いる方式で、車体を1センチ程度浮上させる。一方、日本の方式は「JRマグレブ」などとも呼ばれ、電気伝導体を極低温に冷却した際に生じる「超電導現象」を利用し、最高時速は500キロとされる。極めて高度な技術を必要とする方式だが、車体を10センチ浮かせるので地震などに比較的強いとされることも、日本が同方式を選んだ理由の一つという。

科技日報は中国が開発するリニアモーターの方式については触れていないが、車体と軌道の隙間は1センチと紹介していることから、トランスラピッド方式の延長としてのリニアモーターカーの開発を目指していると推測できる。

なお、宇宙開発事業に携わる中国航天工業集団は8月30日、中車工業研究院の孫副院長が説明した計画とは別に、時速4000キロで運行するリニアモーターカーの開発に着手すると発表した。(翻訳・編集/如月隼人)