『DIAMOND online』に「男からの愛の告白はセクハラなのか」というタイトルの、ちょっと気になるコラムが掲載されていた。

(男性からの愛の告白を)不快だと思う女性がいる。(中略)なかには「セクハラだ」と感じる女性もいるようだ。告白と言えば、密かに想いを抱く相手を校舎の裏に呼び出して……といったものは、高校生までのこと。大人の告白には、きちんと順序を踏んだ段取りが必要だ。しかし、その地ならしをほとんど行わず、自分の想いを相手にブチまけるだけの告白が横行しているという。いわば“告ハラ(告白ハラスメント)”である。

……といった導入ではじまる到って真面目な論調で、はじめは少々被害妄想気味な文章の上手い女性による原稿かと思いきや、意外にも著者は男性であった。

なぜ告白、カジュアルな表現をするなら「コクる」ことがセクハラとなり得るのか? 当コラムの著者が語る“理由”は以下のとおり。

告白とは、強制的に相手との関係を作る行為だからである。告白するまでは、赤の他人、知人程度だった二人も、どちらかが告白することで「告白した側/告白された側」の関係にはめ込まれてしまう。自分の人生と交差することなんてあり得ないと思っていた相手が、強引に自分の人生の「当事者」になる。それを暴力と感じる女性もいるのだ。

(告白には)当然、性的な関係も含めた未来のビジョンが含まれる。しっかりとした関係ができていない相手にそれを求めるのは、確かにセクハラに近いものがあるのかもしれない。

大人の告白とは、相手の気持ちの裏を取り、答え合わせするだけのものに過ぎないのである。告白する時点で、二人の関係はすでに煮詰まっていなければいけない。

また、男性は女性より体が大きい場合が多いので、大人の“ガチ告白”は女性に精神的な負担だけではなく、物理的な恐怖も与える。

なかなかいいことをおっしゃっている。とくに最後の「フィジカル面における男の優位性」から「男の告白が“ハラスメント”へと陥りやすい」と分析するくだりは、「言えてるわ〜!」と、思わず自分の過去の告白歴を振り返ってしまったほどである。

私は「好きなタイプの女性は?」と問われれば、よく「話の早い子」と答えたりするのだけど、それはどういう子なのかと言えば、極論では初デートで意気投合し、3〜5時間後に「ボクと付き合ってみる?」と告白したとき、「付き合ってみよっか」と快諾してくれるような女性のことを指す。

つまり、前出の“告ハラ理論”に当てはめると「地ならしをほとんど行わない、とんでもないヤツ」ってことになってしまうんだが(笑)、「フィーリング……と言うよりリズム感の合う子は付き合っても、まず失敗はない。そして、リズム感の合う“人間”は15分で見抜くことができる」と、ドラマーでもある私は、絶対的な自信を持っている。

ただ、そんな私でも断言できるのは「まず失敗はない」どまりで、5%、いや10%くらいは討ち死にしてしまうパターンもあるわけだ。

たしかに、経験(=年齢)は“失敗の確率”を90%、50%、30%、10%……と、減らしていくのかもしれない。が、この数字を0%にまで持っていくのは、こと色恋沙汰に関しては不可能なのではなかろうか。50歳を過ぎた初老男子ですら“告白の見切りどき”を誤るミスを犯すのが世の常──そんなこと言われたら、いつまで経っても告白なんてできやしない。何度もセックスをした関係の女性からさえも「付き合うのはちょっと…」とお断りされるケースだってあるんだし……。

そろそろ今日の結論を述べよう。当コラムに書かれていることは、たぶんほぼ間違っていない。しかし、キャッチーでこそあれ、この秀逸で微塵のスキもないロジックによって「告白ハラスメント」なる言葉が世に出回ってしまうのはいかがなものか……とも私は考える。下手に流行ってしまったら、若者の恋愛離れはますます加速するいっぽうではないのか?

冷たいようだが、この手の痴話話は安易に「告ハラ」のレッテルを貼ることでおしまいにせず、お願いだから告白された側の器量・裁量でどうにかしてほしい。