老後破綻を招く?親世代とのお金観の違い4つ

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お金のジェネレーションギャップ


基本的に私達は親を手本にする為「親と同じような生活をしていたら困らないだろう…」という経済観念や潜在意識の中で生活しています。また、お金に関する悩みや疑問を他人と共有する事を善しとしない考え方が依然として根付いていることもあり、一番の相談相手は「親」になってしまいます。

しかし、実際には親の時代と私達の時代とでは、経済状況が大きく異なり、親と同じような生活をしていたら、親のアドバイス通りに生活していたら、家計が立ち行かなくなるということをしみじみと感じているのではないでしょうか?
では具体的に親の時代とどのように経済状況が違うのか考えてみましょう

1.運用は預貯金や保険でできた

20年前は株式や投資信託といったリスクをとった資産運用をしなくても「預貯金や 保険で倍になる」ということが起きていました。若い世代は想像もできないと思いますが、郵便局の1990年代初めの頃は定額貯金3年以上の適用利率が6%を超えていました。

<郵貯銀行の3年以上の定額貯金に100万円を10年間預けた場合>
◆1990年代当初…金利6%で1,790,847円(税引前)
◆現在…金利0.01%で1,001,000円(税引前)

もし、1990年代当初の金利で1億円預けていたら、年間の利子が600万円なので利子で1年間生活できますね。リスクもない状態でお金がお金を生むというように、お金がしっかり働いてくれていたので、資産形成もしやすい状況でした。しかし、今は預貯金だけではほとんど増えません。

お金がお金を生む仕組みを作るには、株式投資や投資信託といった、増える可能性も減る可能性もある「リスク」をとらなければいけないという状況になっています。

また、保険に関しても積立商品はやはり金利が高い時の商品に関しては予定利率が高く、今でも「お宝保険」として保険で増加したお金を有効活用して老後を送っている方がいらっしゃいます。しかしマイナス金利政策の影響で円建ての貯蓄型保険商品が少ない今では「保険で増やす」には投資信託を活用した変額保険や、ドル建ての商品のように「リスク」を取る事が前提になってきました。

2.収入が増えていた

高度成長期や経済状況が良い時代は終身雇用制度や退職金制度しっかりありました。またマイホームや教育費といった支出が増えても支払える位、更に妻が専業主婦でも困らない位に夫の給与が増えていました。しかし、今では支出面が変わらない又はもっと贅沢になっている割には収入が増えないのが特徴です。

3.持ち家志向は依然として高い

収入が増えなくても「住まい」は必要になります。老後も賃貸で暮らすのは不安が残るので、老後の事を考えると持ち家は欲しいところです。しかし、親世代と同じように新築一戸建てといった持ち方や、退職金で完済させるといった住宅ローンの組み方では、あっという間に家計は破綻するでしょう。

実家の生前贈与や相続というように親の築いた資産を上手に活用したり、中古住宅やリフォーム・リノベーション、賃貸併用住宅というように、選択肢の幅を広げて「住まい」と向き合うことが必要です。

4.教育費は増えている

私が子どもの頃は中学から私立に進学するのは、医者や経営者といったいわゆる金持ちの子どもだけだったように感じますが、今では普通の収入でも私立に進学するケースをとても多く見ます。また、高校卒業後の進学率も80%以上なので、教育費の負担というのは収入が増えない状況でも年々増えてる傾向で、結果的に共働きで家計を支えることが重要になっています。

老後破綻?結果的に老後資金が作れない30〜40代世代

以上のように、親世代とはギャップのある経済状況ですので、今の30〜40代の世代はマイホームと教育費で家計はいっぱいっぱいになってしまいます。結果的に老後のお金が準備できないという歪みが生まれてしまいます。

これまで多くの家計診断をしてキャッシュフロー表を作成してきましたが、30〜40代の多くの方が子どもが大学進学した頃から家計が破綻してしまう状況に陥ってしまいます。これでは老後のお金が準備できなくても当然ですね。

結果的に老後は子どもに頼るという選択肢があるとしても、やはり「子どもには迷惑をかけたくない」と思っている親御さんがほとんどでしょうし、子ども達に「負の資産」を残さず親子共々経済的に自立していたいと思いますよね。

(文:二宮 清子)