トヨタ・カムリG レザーパッケージ(写真: トヨタ自動車の発表資料より)

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 マークX、クラウンなどの「オジサン車」をまとめて継承した新型カムリは、スタイリングはかなり若者向けでもある。しかし、それは「セダンとしては・・・」と注釈がつく。若者はセダンよりSUVのように「太い胴体」を見て「かっこいい〜〜」となるのだ。ワイドローのセダンが「オジサン車」となるか否か?

【上は】トヨタ・新型カムリ試乗記(上)オジサン車と言わせない レザーパッケージの不思議

■これはオジサン車ではない操縦性能「足がエンジンより速い」

 ハイブリッドシステムによりDレンジに入れるだけでEV走行の準備が出来る。生活道路に出てアクセルを踏むと、意外に早い段階でエンジンがかかった。しかし、衝撃などは皆無で実にスムーズな加速である。システム馬力211psで1.6tの車両重量では十分すぎる加速力だ。0発進ではHVであるので低速ではモーターアシストが効いて、かなりの発進力を示す。街中のいわゆる「信号グランプリ」ではなかなかのものだ。「3.6Lエンジンのトルクです」としきりに営業マンは繰り返していた。

 マツダやスバルのような「電子ハンドリング」は特にない。スプリングは柔らかく乗り心地はすこぶる良い。18インチのタイヤは、ぼこぼこと動くが、弾んでいる様子はない。多少のワインディングに入ってブレーキングやコーナリングを試したが、街乗りの程度では破たんする様子など微塵もない。日常使用では全く「足がエンジンより速い」と言える。若者に通じるだろうか。TNGAによるプラットフォームは、成功していると感じた。

 しかし、スバル・インプレッサと比較すると、トヨタ・新型カムリは「アメ車」に近い感覚だ。これはハンドルが重いことが絡んでいるのだろう。むしろ高級車の重厚感を演出しているのかもしれない。個人的にはインプレッサの軽快なハンドリングが好みだ。値段が半額であることを含めてだが・・・

参考: 【新型スバル・インプレッサ試乗記(1)】別次元の挙動[1]〜[11](筆者関連サイト「知恵の輪サイト」)

■ディーラーの技術レベルは家電並み

 本来、これは重要だ。複雑な故障が起きたとき、これまでの私の経験では、ディーラーの整備士では対応できなかった。ディーラーが故障を直せないと、ユーザーが逆に「クレーマー」扱いされてしまうのが、現代の特徴だ。そこで先に、故障しやすい箇所、整備士の技術水準など、できるだけ見ておくことが必要になってきた。

 今回はトヨタHVの要、世界特許の「電気式CVT」こと「トルクミックス装置」についてディーラー整備士に聞いてみたのだ。「ATのようにトルコンがないのに、停止していてもどうしてエンジンをかけていられるのか?」クラッチの役割を務める機構をたずねた。トヨタの一番自慢のシステムだ。遊星ギアを使った「電気?コントロール」トルクミックスシステムを整備士は知らなかった。整備は診断機もあり、ブロック交換で問題ないものと思うが、制御機構のトラブルなどが起きると、ユーザーの使い方の責任として「突っ張る」のであろう。

 残念であるが、ディーラーの認識は、家電製品と同じように捉えているとさえ思える。ユーザーが勉強しないと、ディーラーも勉強しない。車はスマホなどと違って危険が伴うので、対策するべきなのである。スマホでも、メールが知らないうちになくなるなどの危険はある。ネットバンクなどの使用は、本当は危険がある。

 プログラムのバグは、現代社会の最も深刻な問題だ。ユーザーが理解できないからだ。AI自動運転になる前に、対策が必要であろう。「AIの制御プログラムのバグ」は危険であり、必ず起きると見るべきだ。現在の新型カムリでは、多少の問題は出るであろうが、致命傷にはなるまい。少なくとも「スポーツセダン」」の狙いは十分に成し遂げている。その性能は「オジサン」より、むしろ若者向きと言えよう。ワイドローのセダンで良ければだが・・・