最新のサウンドを取り入れた、バラエティ豊かなザ・スクリプトの5thアルバム『フリーダム・チャイルド』(Album Review)

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 アイルランド出身のスリーピース・バンド、ザ・スクリプトが、3年振りとなる新作『フリーダム・チャイルド』を2017年9月1日にリリースした。

 本作は、2014年9月に発売された4thアルバム『ノー・サウンド・ウィズアウト・サイレンス』に続く、通算5枚目のスタジオ・アルバム。7月14日には、先行シングル「レイン」がリリースされ、本国アイルランドやUKチャートでスマッシュヒットを記録している。この曲は、ザ・スクリプトのフロントマン、ダニー・オドナヒューと、リトル・ミックスなどの楽曲を手掛ける女性シンガー・ソングライター、カミラ・パーセルとの共作。アコースティック・ギターがアクセントになっている、エド・シーランを意識したようなダンス・ポップだ。

 『フリーダム・チャイルド』には、「Rain」のようなダンス・ナンバーや、エレクトロ・サウンドを起用した「Deliverance」や「Love Not Lovers」など、新たな試みともとれるタイトルもあれば、初期の作品を彷彿させる「Eden」や「Rock the World」もある。その他にも、気だるい感じのレゲエ・サウンド「Mad Love」や、ラップを披露したミクスチャー・ロック風の「Divided States of America」、フォーク調のミッド・チューン「Arms Open」やシンプルなバラード曲「Make Up」もあり、バラエティに富んだアルバムに仕上がっている。映画のオープニングのような、壮大なスケール感の「No Man Is an Island」もすばらしい。

 また、「Written in the Scars」や「Freedom Child」など、テロや社会情勢を歌ったナンバーも目立つ。アルバムのタイトルは、そういった意味も込めて付けられたのだろう。

 全曲のプロデュースは、ダニーとメンバーのマーク・シーハンが担当。その他には、ジャスティン・ビーバーやクリス・ブラウン、シャキーラなど、人気アーティストのヒット曲を担当した経歴をもつ、カナダの音楽プロデューサー・デュオ=ザ・メッセンジャーズも参加している。

 ザ・スクリプトは、2008年にアルバム『ザ・スクリプト』でデビュー。本作からは、本国アイルランドで最高2位をマークした「うごかぬ想い〜ザ・マン・フー・キャント・ビー・ムーヴド」や、米ビルボード・ソング・チャート12位を記録した「ブレイクイーヴン」などのシングルがヒットし、ブレイクに繋げた。2010年の2ndアルバム『サイエンス&フェイス』からは、「フォー・ザ・ファースト・タイム」がアイルランド・チャートで初のNo.1獲得を果たし、3作目となるアルバム『#3』からは、アイルランド/全英(UK)チャートで1位に輝いた「ホール・オブ・フェイムfeat.ウィル・アイ・アム」が、全世界で大ヒットした。

 本国アイルランドでは、デビュー・アルバム『ザ・スクリプト』から4作全てが首位を獲得している、ザ・スクリプト。本作『フリーダム・チャイルド』で、5作連続の快挙を成し遂げるか、チャート・アクションにも注目したい。


Text: 本家 一成

◎リリース情報
『フリーダム・チャイルド』
ザ・スクリプト
2017/9/1 RELEASE