<親に連れられるなど幼くしてアメリカにやってきて、オバマ政権に強制送還を免除してもらった80万人の若者たちが追放される?>

トランプ政権は9月5日、バラク・オバマ前大統領の政策をまた一つ、ひっくり返そうとした。入国時に15歳以下で、必要な証明書類を持たない若年層移民に対して、一定の条件を満たせば一時的な就労を許可し、強制送還を免除するDACA(Deferred Action for Childhood Arrival)を廃止するというのだ。

トランプは9月5日午前のツイートでDACAに対する不満を表明。「我が国は法治国家だ。我々は今後、不法移民を奨励することはない」とツイート。「我々は間違いなく、アメリカ国民の利益を最優先する!」と記した。

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DACA撤回に関する発表を行ったジェフ・セッションズ司法長官も、長年DACAは「憲法違反」と反対してきた人物。5日午前の会見でも、「法に則った移民制度を維持するためには、この国に来たいという者すべてを受け入れるわけにはいかない」と述べ、DACAを止めればアメリカの安全と保安に貢献するはずだと続けた。「オバマ前政権のもとでまかり通ってきた法手続きの軽視を終わらせることは、最初の重要なステップだ」

オバマは2010年末、「ドリーム法」と呼ばれる移民制度改革案を成立させようとした。幼いころに不法にアメリカに入国したが必要な証明書類を持たない若年層の移民「ドリーマー」に、合法的に滞在できる道を開くことが狙いだった。しかし法案は共和党と一部の民主党議員の強い反対に直面した。

英語しか知らない若者も

米政治情報サイト「ポリティコ」によると、当時セッションズは、以下のように指摘していた。「ドリーム法が成立すれば、失業中のアメリカ国民は、新たに永住権を認められた多数の労働者との競争を強いられる。この法案は、不法に入国してきた外国人に法的保護を与え、連邦政府の教育補助金の給付対象とすることで、限られた財源を圧迫する」

ドリーム法は結局成立せず、オバマは2012年6月に署名した大統領命令で、証明書類を持たない若年層の移民について、強制送還を一時停止し、一時的な居住権申請を認める大統領命令を発した。

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オバマは、厳しいバックグラウンドチェックを通り抜けてアメリカで暮らしてきた若者80万人を危機にさらすトランプ政権の動きをフェイスブックで批判した。「彼らはアメリカで学校に行き、就職し、星条旗に忠誠を誓ったアメリカ人だ。彼らドリーマーは『書類』以外のあらゆる意味でアメリカ人だ。アメリカしか知らない若者もいる、英語しか知らない若者もいる」

米議会が早急に救済法を成立させない限り、これらの若者は母国に強制送還されることになる。

(翻訳:ガリレオ)

ジョシュ・サウル