10歳次男を亡くしたファミリー(画像は『GoFundMe 2017年8月23日付「Klebs Family Assistance」』のスクリーンショット)

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夏休みの週末ホリデーが悲劇に変わった。米アラスカ州で、4年前に一家が建築したキャビンに滞在していた母親と2人の子供が一酸化炭素中毒になり、10歳男児が死亡した。ガス漏れの原因となったのは冷蔵庫だったという。『Alaska Dispatch News』『The Independent』など複数メディアが伝えている。

アラスカ州アンカレッジに暮らすサラ・クレブスさんは、8月18日(金曜日)から次男のギャビン君(10歳)と末っ子のキャロラインちゃん(8歳)を連れて、10年前に購入しビッグレイクの土地に建てたホリデー用のキャビンに滞在していた。長男のコナー君(14歳)は友人宅に泊まっており、夫のマットさんは仕事で同州アナクトブック・パスにいた。

19日の朝、キャロラインちゃんが頭痛を訴えたため、サラさんは薬を飲ませて休ませた。その後、ギャビン君とサラさんは数回嘔吐に見舞われたことから「家族でインフルエンザにでもなったのかな」と思い、ギャビン君にも薬を与えて眠らせた。

しかしその症状はインフルエンザなどではなく、キャビン内の冷蔵庫から漏れていた一酸化炭素ガスによる中毒症状だった。プロパンガス使用の冷蔵庫が故障し、無臭の一酸化炭素ガスがキャビン内に充満していたことに気付くこともなく、サラさんと2人の子供は意識不明の状態に陥ってしまった。

コナー君の友人の親は19日の夜9時頃、サラさんが迎えに来ないことを不審に思いメールしたが返事がなかった。心配してキャビンまで車を走らせると、ダブルベッドでキャロラインちゃんとサラさんが意識不明になっており、メインルームのソファでギャビン君が横たわっていたという。

キャロラインちゃんとサラさんは同州にあるマタヌスカ・スシトナ緊急治療室に搬送され、その後、高圧酸素治療のためシアトルの病院へヘリコプターで緊急搬送された。しかし残念ながらギャビン君は帰らぬ人となってしまった。

出張先からシアトルの病院へ飛行機で駆け付けたマットさんは、「キャビンの冷蔵庫は定期的にメンテナンスをしていて問題はなかった」と話しているが、機械請負業者であるマットさんにとってはこのような事故が身内に起こったことにプロとしても耐え難いことであったようだ。一家が頻繁に使用していたキャビンには一酸化炭素警報器が設置されていなかったことが明らかになっており、使用率が増える冬に設置する予定だったそうだ。

サラさんは軽い心臓麻痺のような症状を起こしたようだが、現在は意識もはっきりしており米メディアの取材に「想像もしていなかったことです。こんなことが起こるなんて知る由もありませんでした」と語っている。幸いにもキャロラインちゃんは回復し、事故から1週間後の新学期には無事に登校した。しかしながらギャビン君を亡くしてしまった家族の悲しみは深い。ギャビン君はサラさんとキャロラインちゃんがいた寝室よりも、冷蔵庫から近い距離のソファに寝ていたが、それが原因でギャビン君だけが命を奪われることになったのかというと定かではないようだ。

なお現在はキャビン内に警報器を設置しており、一家は“サイレント・キラー”とも呼ばれる一酸化炭素中毒への警告を促している。

画像は『GoFundMe 2017年8月23日付「Klebs Family Assistance」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)