韓国代表の低迷嘆く地元メディア W杯出場も「笑ってる場合ではない」「無に戻れ」と辛辣

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ウズベキスタンと0-0ドロー A組2位の座を死守して9大会連続W杯出場を果たす

 ロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のグループA最終戦で、2位の韓国が4位ウズベキスタンと敵地で0-0と引き分け、同3位のシリアがイランと2-2で引き分けたため、2位の座を死守して9大会連続のW杯出場を決めた。

 どうにかW杯出場権を手にした韓国代表だが、ここまでの不甲斐ない戦いぶりに、予選突破を決めたとはいえ地元メディアの論調は辛辣だ。

 韓国のスポーツ紙「スポーツワールド」は、「韓国サッカーはもう“アジアの盟主”ではない」との見出しで代表チームの現状を嘆いている。「韓国サッカーは“無”に戻らないといけない。試合ではパスミスが続き、テンポが悪く、選手同士の息が合わずFKのチャンスも逃していた。パスの正確性、決定力、連携、ビルドアップなど、すべてが短時間で成長するものではない」とし、あらゆる面で一から立て直す必要があると指摘した。

 確かに試合は序盤からウズベキスタンのペースで進み、失点してもおかしくないシーンがいくつもあった。後半に入ってからは確実に動きが鈍くなった相手の隙を突いた韓国が決定機を作り出したが、ゴールを決めきれずに苛立ちが募る展開となった。

 スポーツ・芸能専門サイト「OSEN」も、「決定力不足と未完成のセットプレーは、“シン・テヨン号”の課題だ」と指摘した。

不振のソン・フンミン「起用法を研究すべき」

 選手の使い方について問題視するメディアも多かった。今回のW杯予選を通じてエースのソン・フンミン(トットナム)の力に頼る部分も多かったが、最終予選ではこれといった見せ場を作れなかった。

 サッカー専門サイト「フットボリスト」は、「本大会出場を決めた韓国代表は、ソンの活用法から研究しなければならない。アジア2次予選でソンは光を放ったが、最終予選では昨年10月のカタール戦の1得点のみ。トットナムでどのような形でゴールを決めているのかを参考にし、得点パターンも研究すべきだ」と、選手の力を生かす力が代表チームに必要だと指摘した。

 さらに「国外組ばかり使うのではなく、Kリーグでプレーする選手に目を向けるべき」と主張するのは、スポーツ紙「スポーツ朝鮮」だ。

 ウズベキスタン戦ではソン・フンミンやFWファン・ヒチャン(ザルツブルク)を攻撃陣に起用していたが、後半18分にMFヨム・ギフン(水原三星)が入ってから流れが大きく変わった。さらに後半33分にFWイ・ドングク(全北現代)が入ってからも、得点チャンスは生まれていた。

 同紙は「危機的状況で、自分たちの価値を証明したヨムとイのベテラン二人や、先発で出場したDFキム・ミヌ(水原三星)やDFキム・ミンジェ(全北現代)らKリーガーの活躍は、自分たちの価値を証明した」と評価しつつも、チームの作り直しが必要との見方だ。

「傷口は深い」と本大会までの強化にも言及

 さらに「笑っている場合ではない。開幕まで282日残っている」との見出しをつけたのは、韓国の総合ニュースサイト「news1」だ。

 記事は「少なくとも最後の試合は勝利を期待したが、それができなかった。9回連続W杯出場という戦利品を得たが、傷口は深い。何が問題だったのかを探す作業が必要だ。残り282日しか残っていない時間を有効に使わなければ、最終予選よりも厳しい道を歩むことになる」と指摘し、代表チームの強化をいち早く推し進めるべきと伝えている。

 W杯出場を決めた後、シン・テヨン監督は選手たちに胴上げされていたが、果たしてそこまで喜んでいいものなのか。これから韓国代表は、10月にフランスで、アフリカや欧州の代表チームとの親善試合を予定しているという。シン・テヨン監督に残された時間は少なく、W杯での躍進に向けて手腕が試されるのはこれからだ。

【了】

金 明碰●文 text by Myung-wook Kim

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images