熱帯夜の消耗戦。先に仕掛けたのはサウジだった。そこにはファン・マルバイク監督の練り込んだプランが。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 日本戦の采配は見事だった。
 
 サウジアラビア代表を12年ぶりのワールドカップ出場に導いた、ベルト・ファン・マルバイク監督。後半から投入したファハド・アルムワッラドが流れを変え、決勝点まで奪ってみせた。65歳の戦術家はこう振り返る。
 
「日本は予想していた通り、かなりタフな相手だった。前半は多くのチャンスを作られ、劣勢を強いられ、勝利にどんどん近づいていた。だがハーフタイムを挟んで、我々は勝負に出たんだ。試合前から決めていたことで、溜めていたエネルギーを放出し、スピードと機動力でかき回そうと。効果はすぐ出たよ。ファハドは大仕事をしてくれたね」
 
 ムハンマド皇太子や王国の重鎮たちも入り乱れたロッカールームでの騒ぎようには、さすがに圧倒されたようだ。
 
「選手たちは完全にクレイジーだったね(笑)。どれだけたくさんの人間がこの瞬間を待ち望んできたのかがよく分かる。得難い経験をさせてもらったよ」
 
 ワールドカップ終了までの契約延長が自動的に決まった。オランダ人指揮官が見据えるのは、ロシアでの躍進だ。
 
「当分はこの余韻に浸ってもいいだろう。だが、いまのままではワールドカップでの良い結果は望めない。まずはこの2試合で見つかった課題を一つひとつ改善し、チーム力を高めていきたいと思う。なんとかこの世代(チーム)に、良き成功体験をしてもらいたいからね」

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