僕はなんでもすぐに信用してしまう薄っぺらな人間なので、いろんな人にすぐ騙されてしまう。先日も初対面の女の人に、幸運が舞い込むとかいうブレスレットを買わされそうになった。

この女の人が目の下にクマがなく、病的なまでに痩せていなかったら、きっと騙されて大量に買っていただろう。

さて、そんな人を疑うことを知らない僕が今回紹介するキーワードが「前世」だ。先日、「ガールズちゃんねる」で「前世の記憶ある人」というトピックを見つけた。(文:松本ミゾレ)

よくあるのは幼い子供が何世代も前の先祖について語りだす話

前世といえば、僕が何年か前にやっていた世界中の怪談をまとめるアプリの仕事の中に、前世にまつわる話もしばしばあった。

面白いことに、特にこの手の話で多いのが、3歳ぐらいまでの子供が、自分の前世について語るという話だった。ほとんどは子供の話すでたらめ話だったんだろうけど、「またこの手の話か」と思ったものだ。

前世は「お姫様」とか「外国の偉い人」みたいな荒唐無稽なのは意外と少なく、その子の何世代も前の祖先だったり、その子が生まれる前にその家で飼っていたペットだったり、地味なチョイスが目立った。

中には子供が知るはずもない先祖の具体的な名前と、身体的特徴を挙げたり、見たことも会ったこともない遠くの親戚の、早くに亡くなった人物を名乗るなんて話もあった。親が知らないうちに誰かがその子どもに吹き込んだ可能性もあるけど、まあ不思議な話ではある。

「小さい頃から水は苦手。何か前世と関係あるのかな?」

ではここで、今回このトピックに寄せられた、前世の記憶を持つ人々の書き込みを紹介してみたい。

「実の母親が学生時代にバイトしてた小さな喫茶店を見たこと(記憶)がある。そのお店はわたしが生まれる前にもう閉店→取り壊されてなくなった。お店の名前もはっきり分かるから、母親に驚かれる」
「子供の頃課外活動で伝統工芸の創作体験に行った時、あれ?これこうやるんだよね?と閃いて、説明途中なのに最後まで作ってしまった事がある。(中略)自分に前世があるとしたら、それの職人だと思う」
「神奈川の某場所に行くと必ず山と山の間から津波が襲って来て多くの人達と逃げる夢を見る。小さい頃から水は苦手。何か前世と関係あるのかな?」

前世というものが本当にあるのなら、さもありなん……と思わせるような、妙な説得力のある話もいくつか目についた。

僕も今回、このコラムを書くにあたって、自分の前世について記憶があるかどうか探ってみたが、全く何も浮かばなかった。「とりあえずゴキブリ以外だったら何でもいいや」ぐらいの関心しかないから、アンテナも低いのだろう。

もちろん、普通に考えて、前世云々とか言ってる人は世間一般的には危ない人でしかない。幽霊も信じていない僕にしてみれば、前世なんてもっと信用できない。どうにも胡散臭い。