『サトコとナダ』ユペチカ/著西森マリー/監修
星海社

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 異文化交流をテーマにしたマンガの広がりが止まらない。『中国嫁日記』など国際結婚を描くもの、『アラスカ・ワンダホー!』など海外で暮らすレポは、エッセイではもはやスタンダード。『きんいろモザイク』など留学生キャラが活躍するハイスクール四コマも人気だ。最近では、『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』など外国人マンガ家の視点で描く作品も増えている。世界は広く、ネタは尽きることがないだろう。

 『サトコとナダ』もその潮流の一つ。日本人・サトコとサウジアラビア出身のナダがアメリカでルームシェアするお話だが、ムスリム女性の等身大の姿が新鮮だった。禁欲的なイメージが強いが、ナダ自身はイスラム教の戒律に不自由さを感じていない。例えば、顔を布で覆うニカブは、女としての見た目や年齢で対応を変えられることがない、いわば「盾」のようなものだとナダは語る。何気ない言葉に、その実私達のほうが不自由かもしれない、と気づいたりもするのだ。多様性を受け入れ、友情を深めていく二人の姿が今後も楽しみだ。

文=倉持佳代子