5日午前9時57分頃、大規模停電が発生し首都圏のJR主要7路線が一時運転見合わせした。停電発生当初は原因などが分からず、ラッシュアワーは過ぎていたとは言え、多数の乗客に影響が出た。停電の復旧は発生から約40分後、予備の送電施設を使って送電を開始、京浜東北線を除く6路線が運行を再開したが、運転見合わせによる遅延も発生した。その後、10時40分には京浜東北線も運転を再開し、全線が通常通りの運行に戻った。

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 運転を一時見合わせたのは、山手線、京浜東北線、埼京線、高崎線、宇都宮線、常磐線、湘南新宿ラインの7路線。大規模停電の原因は埼玉県蕨(わらび)市にある蕨交流変電所での操作ミス。当時、停電発生時刻にJR東日本の関連子会社による変電設備の通電と遮断を切り替えるスイッチの点検が行われており、本来なら電流を遮断して行う作業を通電したまま実施。その結果、通常とは異なる電流を異常なものとして検知したため変電所全体が自動的に緊急停止したのだという。

 蕨交流変電所は、各路線や駅に電気を送っている変電所へと電気を供給する基幹変電所の一つ。そのため影響が主要7路線に広がったと見られている。

 この影響で主要7路線のうち、75本(うち特急5本)が遅延し、ダイヤが大きく乱れ、乗客約4万1000人に影響した。首都圏では14の駅でも停電し、一部で自動改札や券売機が一時的に使えなくなった。停電当初はホームで電車を待つ乗客でごった返したり、運転区間内に留め置かれ一時車両に閉じ込められた利用客などもいたが、大きな混乱がなく事なきを得たことは不幸中の幸いと言える。

 言うなれば人のケアレスミスから生まれたこの事態について同日午後、冨田哲郎JR東日本社長は定例会見で陳謝。再発防止に向け、今回のような事態に対する電源供給のバックアップ体制も検討すると述べた。防災の日を過ぎてのこの事態、それも人によるちょっとした操作手順のミスから連鎖的に発生した不具合に、都市の基幹路線の脆弱さを垣間見る結果となった。