しっかり休むのか、強行出場か(写真:共同通信社)

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 新番付が発表されたばかりの大相撲・秋場所(初日は9月10日)。4横綱時代を迎えて4場所目となるが、またも全横綱揃い踏みはお預けとなりそうだ。

「名古屋場所で優勝した白鵬は、左ひざの状態が万全ではない。8月29日の力士会後には、『(出場は)師匠と相談して決めたい』と、いつになく弱気な発言をした。日馬富士も左ひじの古傷の状態がよくないという。今場所で負け越せば即引退の鶴竜も休場が確実視されている」(協会関係者)

 そんななか、2場所連続途中休場中の日本人横綱・稀勢の里が、まさかの強行出場へと傾いているという。

「責任感の強い稀勢の里は、横綱不在の事態は何としてでも避けたいと考えている。『他の横綱が休場するなら自分が出る』とばかりに稽古に本腰を入れ始めた」(スポーツ紙記者)

 ケガの療養に努めるため全休する予定だった夏巡業に後半から復帰したことも、一気に強行出場へ傾いた理由だと見られている。

「8月25日の小田原巡業で稽古土俵に上がった稀勢の里は、東前頭11枚目の大栄翔(追手風部屋)相手に11番取って9勝2敗。翌日の所沢巡業でも、9番取って7勝2敗とし、気分良く土俵を降りた」(同前)

 稀勢の里が秋場所に出場することを心待ちにしている大相撲ファンは多い。しかし、「強行出場で本当に大喜びするのは、若手力士たちだ」というのは、前出・協会関係者の見方だ。

「稀勢の里が出場すれば、懸賞の総本数が段違いに跳ね上がる。稀勢の里戦では限度である61本が連日かかるのは間違いないでしょう。もし金星を上げれば、手取り1本3万円なので、183万円の臨時収入が得られ、さらに褒賞金が加算されて年収も24万円アップする。そのため、若手力士の間には、稀勢の里のことを“金星配給マシン”と思っている者もいると聞く。稀勢の里の休場を協会が強く勧めているのは、金星の量産を防ぎたいという思惑もあるのです。

 夏巡業で思いの外動けて気を良くしていると言っても、本場所とはわけが違う。若手力士は負傷していた左腕をかまわず狙ってくる。もし3場所連続途中休場ならかばいきれない。出場は明らかに早計です」

 今場所は、栃ノ心、北勝富士、碧山、阿武咲、宇良といったガチンコ力士たちが、幕内上位で勢ぞろいしている。そうした中で、銭勘定する若手力士の思惑通りになってしまうのか──。

 休場届の〆切となる、9月8日の編成会議までの動向に注目が集まる。

※週刊ポスト2017年9月15日号