6度目の核実験で「水爆」の小型化を達成したと公言する北朝鮮に対抗して、韓国の宋永武・国防相が明らかにした「斬首作戦」が、波紋を呼んでいる。金正恩委員長を暗殺・拘束する部隊を創設するというのだ。本来なら、極秘に進められるはずの構想を、明かした意図は何なのか。

韓国のKBSは昨日5日(2017年9月)、「北のICBMが平壌から東に移動中」と報じた。北朝鮮の建国記念日である9日に向けて、新たなミサイルの発射準備をうかがわせる。対抗する韓国は、日本海に護衛艦を展開して、砲撃訓練を行った。

そんな中、一昨日(4日)の国会で宋国防相が、「斬首作戦」を明かした。12月1日に特殊部隊を編成し、来年(2018年)末には作戦可能になるという。部隊は陸海空合同で編成し、1000人〜2000人規模。「斬首」とは、文字どおり首を斬ること、挑発を続ける北の金正恩委員長を排除するというものだ。

かつて米中央情報局(CIA)が中南米で、幾つかの政府転覆を図った例はある。リビアのカダフィ大佐を空爆したこともある(未遂)。また記憶に新しいのでは、「アルカイダ」のウサマ・ビンラディンを米のネイビー・シールズが2011年、パキスタンで殺害したケースがある。

しかし、一国の政府が敵対する国の指導者を直接狙ったという話はあまり聞かない。また、たとえ試みはあったとしても、それを公言するというのが解せない。昨日の報道を見たときに抱いた最大の違和感はそこだ。それと、現在の緊張状態を前にして、随分と悠長な計画だなと。さて、これをどう見るか......。

公表は国内向けの政治的メッセージ

司会の加藤浩次「え、なんで発表するのと思った。本当にやるのなら水面下だと思うんですが」

笹川平和財団の小原凡司氏は、「公表は政治的メッセージだと思う」という。

元韓国国防省で北朝鮮情報分析をしていた高ヨンチョル氏も同じ意見だ。「文大統領は、親北朝鮮だと思われている。そういう悪いイメージを払拭するための政治的メッセージ」

加藤「国内向けだと?」「そうです」

なるほど、それならわかる。

もともと金委員長は暗殺を恐れて、行動は未明にする。移動するときは、随員の車に乗るなど、行動は極めて慎重だという(聯合ニュース)。そんな状況で何ができるのか?

高氏は「ステルス戦闘機やドローン無人機によるピンポイントの精密爆撃作戦が手っ取り早い」。さらに「協力者が暗殺する」という。一般市民や脱北者を養成するのだという。

小原氏は「奇襲し暗殺・拘束」は同じだが、さらにミサイル基地などの大規模爆撃を行って、北の反撃を削ぐと。別にコリア・レポートの辺真一氏も、「奇襲、暗殺・拘束とピンポイント爆撃」を挙げた。

3人はそれぞれ、成功の確率まで出して、さらにその後の指導者は? という内容まで展開していたが、さすがに聞いていて白けた。

何よりも、暗殺となれば、それは先制攻撃ということ。それより今の状況の方が緊急だろう。国連安保理で、ヘイリー米大使は、「北は戦争を望んでいる。アメリカは戦争を望んだことはないが、忍耐にも限度がある」と発言した。北のミサイルは陸路を移動中という。焦点は9日だ。