ミャンマー連邦共和国のイスラム教少数勢力ロヒンギャが、数百人の死者を出す規模の迫害を受けているとされる問題に関し、2014年のノーベル平和賞受賞者で、イスラム教徒の女性教育活動家として知られるマララ・ユスフザイ氏が、ツイッターを通じ、同国の国家顧問アウン・サン・スー・チー氏に対し、「迫害を非難する明確なメッセージを」発するようにと求めた。

 ミャンマーは東南アジア、インドシナ半島西部に位置する多民族国家であり、総人口は約5,000万人、6割はビルマ族が占めるがその他多くの少数民族が存在する。

 現在、迫害を受け難民化しているということで話題となっているロヒンギャと呼ばれる集団については、明らかでないことが多い。イスラム教を信仰し、ロヒンギャ語という言語を話す、ミャンマー国内に80万人ほど存在する集団だとされているのだが、民族であるのか、単にイスラム教を紐帯とした集団であるのか、確たる定説は存在しない状態だ。

 ロヒンギャに対する迫害が始まったのは、2012年のことであるとされている。そして、それを主導しているのはミャンマー政府そのものであると囁かれているのだが、その真偽について国際社会は確証を得ることができず、また、ミャンマー政府自身は態度を明らかにしていない。

 かつてミャンマーの非暴力民主化運動の指導者として知られ、1991年のノーベル平和賞受賞者であり、2016年から国家顧問の地位にあるアウン・サン・スー・チー氏もまた、ロヒンギャ問題に対する態度を明らかにしていない。

 分からないことだらけの状況ではあるが、少なくとも現状、スンニ派イスラム教の国であるモルディブ政府が「ミャンマー政府がロヒンギャに対する残虐行為を防ぐ措置を講じるまで、ミャンマーとの貿易をすべて停止する」と宣言していることは確かである。

 大きく世代を隔てるとはいえ同じ女性ノーベル平和賞受賞者同士であるユスフザイ氏の語りかけに、果たしてスー・チー氏は応えることだろうか。