地政学リスク高まる中、追加利上げ観測は後退、9月6日のドル円為替

写真拡大

 朝鮮半島の地政学的リスクの高まりによって円高ドル安の流れが続いている。昨日は経済指標も低迷した結果が示され、さらにFRB高官らによる年内追加利上げへの発言がドル売りを加速した。

【こちらも】今日の為替市場ポイント:日経平均株価の動向を注視へ

 9月5日(すべて日本時間)は8:50ごろの1ドル109円83銭を上値に109円台前半での推移となった。6回目の核実験を強行した北朝鮮に対し、国連安全保障理事会は米国の要望により石油禁輸措置を検討する動きだ。ロシアのプーチン大統領はしきりに外交が解決に向けた唯一の道と呼びかけているが、北朝鮮はICBMを西岸に移動しているという報道もあり予断を許さない状況である。米国も我慢には限界があると発言しており、軍事力行使の可能性も高まってきている。リスクオフの動きが強まり、有事の際の円買いのため、日付の変わった6日9:00ごろには1ドル108円50銭の下値をつけた。

 ドル売りの材料は地政学リスクへの警戒感だけではない。5日21:00ごろにはブレイナードFRB理事が「インフレの低迷を配慮して利上げには慎重になるべき」とコメントした。もともとハト派のカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁も6日2:20ごろに「利上げは米国経済に実質的な損害を与えている可能性がある」と追加利上げに強く反対する意向を示した。すでに織り込み済みとなっているバランスシート縮小のスタート時期は9月になるであろうが、12月の追加利上げについては逆風が吹いている状態だ。

 9月5日23:00に7月製造業受注が発表されたが、事前予想の前月比-3.3%と同じ数値になった。前回の+3.2%からは大幅な下落である。ここ3年で最大の下落幅となった。7月耐久財受注改定値は速報値と変わらず-6.8%と、こちらは事前予想の+1.0%というプラス予想からマイナス結果となっている。期待の経済指標もまたドル売りの材料となった。本日は21:30から7月貿易収支、23:00より8月ISM非製造業景気指数の発表がある。ドル買いの材料となるのか注目が集まる。7日3:00には米地区連銀経済報告(ベージュブック)も控えている。