魚地菜緒/Photo by 青木早霞(PROGRESS-M)

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今年6〜7月に行なわれた舞台“梅棒7th ATTACK「ピカイチ!」”に出演――ステージ上でのブレイクダンスのパフォーマンスや観る者を惹き付ける存在感など、多くの関係者や観衆から注目を集めた10代ダンサー・魚地菜緒。彼女は“B-girl Nao”として、2018年10月にブエノスアイレスで開催されるユースオリンピック競技大会「BREAKING」(ブレイクダンス)の第一次予選を突破するほどの実力者。そして、9月末からは話題の舞台「TOKYO TRIBE」STAGE、そして12月にも“THE YASHIRO CONTE SHOW「ReLOVE」”への出演が決まっている。今回はダンスシーンだけでなく、舞台界からも注目される存在・魚地菜緒にスポットを当ててみた。

【写真を見る】ユースオリンピック競技大会「BREAKING」の第一次予選を突破、そして9月末からは話題の舞台「TOKYO TRIBE」に出演する魚地菜緒/Photo by 青木早霞(PROGRESS-M)

●“ブレイクダンス”との出会いは、いつ頃でしたか?

中学1年の時です。たまたま私が通っている学校にはブレイクダンスに特化した部活があって、そこへ入部したのがきっかけでした。ダンス部のパフォーマンスを“新入生歓迎会”のような場で見て、「私もできるんじゃないかな?」とあまり深く考えずに始めた感じなんです(笑)。

●最近ではブレイクをやる女性も増えてきましたが、その当時はそんなに周りでも多くなかったのでは?

そうですね。でも興味のある子は何人かいた気がします。最近では女性もブレイクをやる人は増えてきました。男女問わず、海外と比べても日本はブレイクのレベルが高いと思うので、競技人口も増えていったらいいですね。

●それがシーンの成長にも繋がりますからね。魚地さんにとって、同世代のダンサーから何か刺激を得ることはありますか?

同じジャンルのダンスをやっている中で友達ができることも多いけど、仲良くなればなるほど、その友達の成長が悔しい時もあります。そこから、自分も頑張らなきゃ!という気持ちになるので、いい刺激になっています。あとは、自分の得意な技(パワームーブやエアートラックス)では負けたくないですね。

●現在17歳の魚地さんですが、今年の夏は貴重な経験がありましたね。舞台に初挑戦ということで、“梅棒7th ATTACK「ピカイチ!」”を終えての率直な感想を聞かせてください。

まずは本当に楽しかったです。初めて舞台に出演したので、とても緊張したんですが、共演者の方のサポートもあって、なんとか…(笑)。最初にこの話をマネージャーさんからいただいた時は、まだ実感が湧かなくて、よくわからないまま稽古が始まった感じでした。正直あんまり考える余裕もなく…。

●いざ稽古が始まってからはどうでしたか?

稽古は……大変でした(苦笑)。いろんな面で難しかったです。舞台は初めて挑戦することだったけど、共演した方々の個性がすごく強いから、自分で前に出るように意識しないと埋もれちゃうんですよね。だから、稽古をやりながらそこはとても考えました。

●その稽古期間を経て、東京での初日公演を迎えた時は、どんな心境でしたか?

私、稽古場で練習している時よりも、本番の舞台上でお客さんが入っている状態のほうがやりやすいんですよね。逆に緊張せず集中できるというか…。稽古場はいろんな視線が気になって、あんまり集中できずで。だから気持ちの面では、本番のほうがまだラクでしたけど、そこも克服していかなければと思っています。

●そうなんですね。たしかに観ていた側としては、魚地さんの姿はとても生き生きしているように感じました。ステージ上で披露したブレイクダンスは演出家の方から尺の長さだったり、どんなパフォーマンスをしてほしいか、というのは事前に指定されていたのですか?

ブレイクダンスのパートはある程度お任せで自由にやっていいということだったので、自分なりに考えて披露しました。(作・総合演出の伊藤)今人さん(梅棒)からは「最後まで大技を取っておかなきゃいけない」とアドバイスをもらったので、流れの中で徐々にアゲることを意識しました。あえて序盤や中盤では100%というより、少し抑えめのパフォーマンスでためて、ラストに大技をもってくる――このプランは自分の中で描いていました。

●それは今回の舞台を経験しなければ、気づかなかったことかもしれないですね。舞台の後半では、w-inds.の千葉涼平さんと一緒にブレイクダンスを披露するシーンもありましたね。

あのシーンは最初なかったけど、(稽古の)終盤のほうでやろうという話になったんですよね。涼平さんとは「(尺の)終わるカウントのタイミングだけ決めて、あとは好きに回ろう!」って話をして、ヨコの回転のスピン系の技を披露しました。

●演技という部分では初挑戦でしたが、どうでした?

ホントに難しい(笑)。稽古の時に周りのスタッフさんやキャストの方々は、私の様子を見て「この子、大丈夫かな〜」って感じたのかなと思うんです。だから、いろんなアドバイスをいただきました。

●具体的には、どんなアドバイスをもらいましたか?

とにかくアクション(仕草)、表情とかを「もっと大きく!」と言っていただきました。たぶん演技の自信もなかったせいか、自然とすべての面で縮こまっていたのかなと。だから周りからは、そう見えていたんだと思います。公演期間も、その日の舞台映像を見て反省点を探したりもしました。同じキャストの方に比べると、私はダンスにしても演技にしてもまだまだだったので。

●また舞台は経験してみたいですか?

経験すると、とても得ることは多いので、機会があったらぜひやってみたいですね。両親からも「やりたいことをやればいいんじゃない?」と言われてるので(笑)。

●魚地さんのご両親は、今回の舞台を観てくれたんですか?

観に来てくれました。でも「どうだった?」って聞いても私のことより、他の出演者の名前がどんどん出てくるんですよね(笑)。「え? 私のことは…」と思いましたけど。

●(笑)。それでは最後にひとつ質問です。現時点での目標は何かありますか? 例えば、18歳までには達成しておきたいこととか…。

う〜ん……18歳までに“ワンハンドエアー”をできるようになりたい。今は軌道がタテだから、もうちょっとヨコに寝かさなきゃと思っているけど、それがなかなかできなくて難しいんです。あとはユースオリンピックの「BREAKING」(ブレイクダンス)一次予選を突破したので、二次予選も頑張りたいと思います!

(撮影:青木早霞(PROGRESS-M) 衣装協力:niko and ...)

■ 魚地菜緒 プロフィール

ウオチ・ナオ:2000年2月26日生まれ、東京都出身。現役女子高生のブレイクダンサー。2013年12月に開催された「日本中学ダンス部選手権決勝大会」で優勝し、卓越したダンステクニックと高いセンスによって早くからその才能を発揮。その後も「BOTY B-GIRL 2vs2 BATTLE JAPAN」「BOMB JAM」など、多くのダンスバトルやコンテストに出演しスキルアップさせてきた。2017年6月から7月にかけてZeppブルーシアターなど全国4都市上演された梅棒公演“7th「ピカイチ!」”に出演。今年12月には新宿・紀伊國屋ホールにて行われる舞台「ReLove」(脚本・演出:家城啓之)にも出演が決定している。また、来年ブエノスアイレスにて開催されるユースオリンピック・ブレイクダンス種目の第一次予選を通過中。各方面から注目される存在となっている。