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●中国では2時間で3億円販売のライブ配信EC

ゲーム好きや自身の名前を冠したドラマがヒットするなど、独特のポジションを築いている俳優の山田 孝之さんが、会社を共同設立した。ミーアンドスターズと呼ばれるその企業は、"プレミアムコンテンツ"をライブ動画で販売する。山田 孝之さんが思い描く"会社"とは何か?

○B2BのトランスコスモスがB2C領域へ

ミーアンドスターズは、BPO(Business Process Outsourcing : 一部業務の外部委託)などを手がけるトランスコスモスの子会社として、山田 孝之さんのような"スター"や、Instagramerなどのインフルエンサーがアプリ上でユーザーとコミュニケーションを取りながら、さまざまな商品をアプリ「me&stars」で販売する。商品は"プレミアムコンテンツ"をキーワードに、単なる製品だけでなく、"体験"の販売も行う。

販売形態については定まっていないものの、テレビショッピングのような"モノ売り"や、ライブ動画の特性を活かしたオークション販売などを行う。販売する商品の内容については「具体的に言うと、競合に先にやられてしまうので非開示」(同社 代表取締役社長 兼 CEO 佐藤 俊介氏)。

販売単価については、"プレミアム"を軸に据えることから、物販では数千円から、オークション販売では「Appleのティム・クック氏とのランチ会が68万ドル(およそ7690万円)で売れたように、目指すからにはそのラインを目標にしたい」(佐藤氏)としていた。

トランスコスモスはこれまで、デジタル上の広告・購買・サポートをワンパッケージにしたDECサービスを展開しており、そのノウハウを活かした初のB2Cサービスだという。中国でタオバオが提供するライブ配信ECが大きな盛り上がりを見せており、有力インフルエンサーの新作ブランド発表では2時間で3億円の売上があったという。

日本でも、C2Cのメルカリがライブ配信ECに進出しており、こうしたトレンドに合わせてDECソリューションを内部に抱えるトランスコスモスの強みを活かす戦略のようだ。

○山田さんが大切にしたい価値は「1対1」

佐藤氏が1年前から温めていた構想に、6月から参画した山田さん。

「小寺さん(ミーアンドスターズ 取締役)から話を聞いて、佐藤さんとビデオカンファレンスで3時間くらいミーティングした。そこで竹村さん(構成作家、山田さん主演のドラマ脚本など)を誘った方が話が広がる、面白いことができるんじゃないかと話して、今日に至った」(山田さん)

●CIOに就任、山田さんはコンテンツ候補に「ふざけるな」

me&starsでは山田さんの人脈を活かしてタレント・俳優がライブ配信を行う予定で、ほかにインフルエンサーや「さまざまな分野のトップオブトップを招いて体験価値を提供したい」(佐藤氏)。これまでも握手会といった芸能人とファンが触れ合う機会は存在していたが、山田さんが大切にしたい価値は「1対1」にあるという。

「アイドルやミュージシャンはファンクラブを持っていたりするが、大勢いる中で一人に(何かを提供する)ということはない。もちろん、お金の問題によることも大きいけど1対1という価値の強さはある。これがほかのサービスとの差別化に繋がるのではないか」(山田さん)

構成作家がミーアンドスターズに在籍することで、さまざまなコンテンツを「最初は週に1本」(佐藤氏)のペースで提供していくが、あくまで狙いは「スターに声をかけ、ゼロイチで立ち上げる魅力を楽しんでもらうところにある。ファンと一緒に体験を作る価値、面白い奇跡が起こることを楽しんでもらいたい」と山田さんは話す。

山田さんは現時点で竹村氏が作った企画案を30個程度、目を通しているというが「正直、ふざけるなと言いたくなるようなものもあるが(笑)、最初に(コンテンツの傾向を)縛ると出てくるものが限られてしまうので、初めは自由にやっていけるように頑張る」と意気込みを口にする。

ただし取締役としての考え方について問われると、就職経験がなく、勉強も放棄していたという自虐を交えつつ「何も詰め込んでいなかったから、頭に相当余裕がある。いろんな勉強をしていきたい」と、経営者としての経歴はこれから積み上げていく心積もりのようだ。

山田さんは単なる取締役ではなく「CIO」、Chief Innovation Officerというコンテンツを生み出し続けるイノベーションの旗振り役を求められている。「数字や文字が苦手」と語って笑いを誘った山田さんだが、経営管理面は佐藤氏というシリアルアントレプレナー(連続起業家)に任せつつ、いかに多くのユーザーを獲得できるプレミアムコンテンツを取り揃えられるかが、"経営者"としての第一歩となりそうだ。