家の掃除を隅々までやらず、ざっときれいにするだけですませることが多いという人は、今すぐダスト用モップの準備が必要かも。<Good Housekeeping>によると、アメリカのデューク大学の新たな研究で、ハウスダストに含まれる化学物質が代謝に支障をきたし、特に子どもの場合は体脂肪が増加するおそれがあることがわかったそう。

学会誌の『Environmental Science and Technology』に掲載された研究によると、ハウスダストには、ホルモンの産生を阻害する働きのある"内分泌かく乱化学物質(EDC)"が含まれているとのこと。今回の研究では、このEDCが原因となって、脂肪細胞が肥大し、多くのトリグリセリドを取り込むことが判明。トリグリセリドとは、エネルギー源として体に蓄積される脂肪の一種で、過剰になると肥満につながるのだそう。

EDCは、ハウスダスト以外に、洗浄剤や食品のパッケージ類など日用品のなかに存在している物質。<Medical News Today>によると、過去に、EDCが体重増の原因となる可能性を指摘した研究があったそうで、それを受けて研究チームは、ハウスダストの体重への影響を調査したとのこと。

研究では、ハウスダストのサンプルを収集し、そこに含まれるEDCの分析を行い、全部で44種類の汚染物質を確認。マウスの実験により、そうしたダストがどのように前駆脂肪細胞に影響するかを調べたところ、44種類のうち7種類の化学物質が細胞内の脂肪の蓄積をひきおこし、9種類が前駆脂肪細胞から脂肪細胞への成長を促進する働きを示したそう。

この研究に携わったヘザー・ステイプルトン博士は次のように語っています。「ハウスダストに含まれるこうしたさまざまな化学物質のせいで、トリグリセリドの蓄積と脂肪細胞の増加が促進されることがうかがわれます」。

研究者によると、わずか3マイクログラムのハウスダストでも、結果的に脂肪増加をもたらす引き金となるそう。研究チームのリーダー、クリストファー・カソーティス博士は次のようにコメント。「驚くほど低い濃度でも、こうした物質が肥満細胞増加の引き金となることを確認しました」。

EDCのなかでも最も脂肪増加の効果が高い物質だったのは、殺虫剤のピラクロストロビン、難燃剤のTBPDP、それに可塑剤のフタル酸ジブチル(DBP)の3つ。

同チームは今後さらに研究を進める必要があることを認めているものの、今回の研究成果により「ハウスダストの脂肪細胞形成活動は、EPA(米国環境保護庁)が定めた子どもの暴露(ヒトや環境中の生物が化学物質と接触すること)水準よりも低い濃度で発生していることから、人の健康、特に子どもたちへの影響について懸念するべきものだ」と指摘。

ハウスダストを取り除くことは、肌のアレルギーや湿疹、喘息といった症状の改善にプラスだと考えられているうえに、体重増加のリスクが減らせる可能性ありとなったら、家の中をピカピカにすることがますます大事に思えてきそうですね!

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: 西山佑(Office Miyazaki Inc.)

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