サウジアラビア戦で先発した本田は、見せ場を作れぬまま前半終了後に交代を言い渡された。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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[ロシアW杯アジア最終予選]サウジアラビア1-0日本/9月5日/キング・アブドゥラー・スポーツ・シティー
 
 オーストラリア戦からスタメン4人を入れ替えて臨んだサウジアラビア戦で、先発を勝ち取った選手たちがどれだけアピールしてくれるのか大いに注目していた。

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 そのなかで、1トップに岡崎、両ウイングに本田、原口を置いた前線は、立ち上がりこそ勢いを感じさせたけれど、残念ながら機能していたとは言い難い。本田は安易なパスミスが見られたし、岡崎は大迫とは違って前線で起点を作れず、味方との連係も今ひとつだった。
 
 柴崎にしても、縦に速いサッカーを志向する今の戦い方でアピールするのが難しそうに見えた。彼の良さは、視野の広さを生かしたパスセンスだが、過剰な縦への意識がチーム内に浸透しているので、そういったストロングポイントが生きる場面がほぼなかった。
 
 ハリルホジッチ監督はメンバーを固定せずに戦っているので、連係面での難しさはもちろんあったと思う。それに、中東の暑さやアウェーで大観衆が詰めかけたなかで戦う厳しさもあったけれど、ワールドカップに向けたサバイバルが始まっている状況なので、ここでアピールしておきたかった。
 
 本田や柴崎に関しては、大一番のオーストラリア戦で出場できなかったわけだから、なおさら意地を見せて欲しかったが、残念ながら合格点は与えられない。両者とも守備面への不安はあるものの、攻撃面で違いを生む仕事はできる。おそらく、ハリルホジッチ監督はそこを見越して起用したんだと思うけれど、期待に沿えなかった。
 
 現状、各ポジションの序列は流動的な部分もあるが、本田や柴崎はサウジアラビア戦の出来で評価を下げてしまったかもしれない。いくらコンビネーションに不安があったとしても、それを感じさせないくらいのインパクトを残さないと、今後ハリルホジッチ監督に使い続けてもらうのは厳しいだろう。
 
 本田はパチューカで、柴崎はヘタフェで試合に絡んでいるので、所属クラブでのパフォーマンス次第では、10月の強化試合で再び招集される可能性はある。そこで、今回の汚名を晴らすくらいの働きを見せてもらいたい。
 
 今後は本大会に向けた強化を練る段階へと突入する。個人的にはハリルホジッチ監督の下で志向する「守備から入る」サッカーに対して反対するつもりはないし、本大会で好成績を残すには一番の近道なのは間違いないと思っている。
 
 現に、攻守の切り替え、それに、守備意識はベンチメンバーも含め、だいぶ高くなった。アジア予選を戦う中で闘える選手が増えてきたのは、ハリルホジッチ監督が目指すサッカーが浸透してきた証だろう。
 
 あとは、攻守の質をどこまで高められるかに懸かってくる。攻撃に関しては、先のオーストラリア戦のように、1トップの大迫にボールを収め、浅野のスピードや原口の推進力を生かしたカウンターがひとつの形になりそうだが、欲を言えば新たな攻撃パターンを模索して幅を広げたい。
 
 守備面では、やはり山口や井手口のディフェンス力は欠かせないだろう。彼らの働きは十分に効いているのは間違いないが、だからと言ってロシア行きが保証されているわけではない。世界基準での戦いを目指し、今後どんなメンバーが食い込んでくるか。中盤に限らず、メンバーのサバイバルからも目が離せない。