私たち消費者にとってはありがたい、企業やお店による無料体験や無料配付のサービス。しかし、同時に「これがどうしてタダなのだろう、なにか裏があるのでは」などという警戒心を抱いてしまうこともありますよね。今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では著者で戦略コンサルタントとして活躍する中久保浩平さんが、無料サービスを行う際に企業がはっきりとお客さんに伝えるべき事について記しています。

無料提供や無料体験サービスをする前に

いろんな企業やお店が、市場やお客さんに商品やサービスのことを知ってもらうきっかけ作りとして、商品やサービスの無料体験や無料配布に取り組んでいます。「無料だったら…」という手軽さからか、お客さんには負担がなく手にしやすいので喜んでもらえます。

しかし一方では、「タダほど高くつくものはない」とお客さんは知っていますから、あくまで無料であることの理由を明確に伝える必要があります。理由がないのに客寄せの為だけに無料でバラマキ提供するのは、資本の潤沢な大手メーカー以外は、ナンセンスです。

毎年、秋になると私の地元、西宮神社では「西宮酒ぐらルネサンスと食フェア」というイベントが開催されます。このイベントは、地元の飲食店が軒を連ねて屋台を出展。多くの人が訪れ、朝から晩まで飲んで食べて、毎年賑わっています。出店者側からすると、こうしたイベントは、お店の宣伝のための出店であり、トントンであれば御の字で、自店への来店きっかけを作ることを目的としています。

一昨年、一軒、知人の和食店がこのイベントに出店すると聞き、顔を出してきたときのこと。商品は、土手焼き串とつくね串。それに生ビール。この三品を販売していました。聞くところによると、ボチボチと売れてはいるけど、赤字も辞さない状況。でも、特につくね串は、お店の秘伝の出汁が効いていて、とっても評判とのことでした。

私も早速買い求め、食すことに。つくねにしっかりと出汁が染み込んで絶品。口に入れた瞬間にジュワッと出汁の旨みが広がっていくのがたまりませんでした。店主らとしばらく談笑していると、大きな鍋にどっぷりと浸かっている出汁を見つけ、一つの疑問が湧いてきたので、店主に尋ねてみました。

私「この出汁、余ったらどうするのですか?」

店主「いや、そりゃもう使えないので捨てることになりますよ」

ん〜なんてもったいない。こんなに旨いのに。

そこで、一つ提案をしてみました。「捨てるのは、もったいないし、お店のパンフレットも沢山余ってるようですし、どうせ捨てるんだったら、パンフレットと一緒にイベント終了の1時間前から、無料で振る舞いましょうよ。『余らして、捨てるのはもったいないので、ぜひ一口酔い覚ましに飲んで帰って下さい!』って声をかけましょう」と。「なるほど、やってみます」と即答。

その後、私は屋台を後にしたのですが、その日の夜遅く、メールが。

出汁の無料振る舞い、大盛況でした! こんなに旨い出汁、どこにいったら味わえるの? とか、お店はどこにあるんですか? とか、ぜひ今度、家族で食べに行きます! とか沢山、沢山声をもらいました。パンフレットも無くなりました。あと、売り上げも目標をクリアしました!

という報告が。無料で配る理由が明確にお客さんに伝わったからこその出来事でした。

無料で商品やサービスを提供するということは、こういうことです。単なる客寄せの為ではなく、そこに明確な理由があるからこそ出来ることであり、お客さんも無料以上の価値を感じることができ喜んでくれるのです。

御社で無料提供出来ることといえばどんなことでしょうか? そして、それにはお客さんに無料で提供できることの明確な理由がありますか?

■今日のまとめ

『無料提供は明確な理由があってはじめて成功する。』

自社で無料提供できるものを列挙してみる。上記で挙げたものを無料提供する明確な理由をまとめる。

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出典元:まぐまぐニュース!