子どもたちが大好きなお菓子や、朝食の定番ハム・ソーセージなど、私たちが日頃口にする食べ物の多くに「食品添加物」が入っています。これらをゼロにすることはほぼ不可能な今、一体どう添加物と向き合えばいいのでしょうか。メルマガ『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』の著者でNY在住のしんコロさんが、医学博士の視点で回答しています。

食品添加物との上手な付き合い方を知りたい

Question

小学生の頃に、授業で食品添加物の影響についてのビデオを見ました。それは、食品添加物は体外へ排出されることなく、遺伝子にも蓄積されて、子孫へ悪影響を及ぼすというものでした。

動物実験で、猿に食品添加物を与え、猿の赤ちゃんへの影響を調べたところ、健康でない赤ちゃんが生まれた割合が高くなったデータが、まとめてありました。猿は人間よりも成長が早く、それだけ次の世代の影響を知れるため、猿を実験で使ったようです。私は、今は目に見えてなくても、100年後には大きな問題になってるに違いないと信じていて、できるだけ避けたいのですが、なかなか難しいです。

しんころさんは、食品添加物をどのように考えていらっしゃいますか?しんころさんは、健康への意識が高いとお見受けしますが、食品添加物との付き合い方についてアドバイス等ありましたら教えていただきたいです。

しんコロさんの回答

アメリカには合成着色料や香料をたっぷり使ったキャンディーがズラリと並ぶ「キャンディーショップ」があります。アメリカでは「狂喜乱舞する様」を表す言い回しに「キャンディーショップにいる子どもみたいだ」というのがありますが、子どもは色鮮やかなお菓子などを好む傾向があります。それだけに、小学生の頃に食品添加物の教育をするのは非常に重要だと思います。

さて、食品添加物と一口にいっても、急性の毒性があるもの、発がん性の疑いがあるもの、短期的には害はないが長期的に害があるかどうかが不明なもの、など色々あります。また、摂取量によっても影響は大きく変わります。一例として、ハムやソーセージに含まれる発色剤(亜硝酸ナトリウム)は毒物及び劇物取締法で劇物に指定されており、2gが致死量と言われています。また、亜硝酸ナトリウムは原料の肉と反応して生じるニトロソアミンは発がん性との関連も示唆されています。

一方、多くの食品に添加物として含まれているグルタミン酸ナトリウム(化学調味料)は致死量が1kg 近くで、むしろ食塩の方が致死量が少ないのです。そういった意味で亜硝酸ナトリウムよりもグルタミン酸ナトリウムの方が短期的な害は少ないとは言えます。しかし、化学物質過敏症の人には致死量関係なく少量でも身体が受け付けず、不快な症状となって現れることがあります。

食品添加物は避けるのに越したことはありませんが、食品添加物のそれぞれがどのような毒性や特徴があるのかを知っておくのも大切です。今後、加工食品の原材料を見て食品添加物だと思ったら、検索してどんな物質なのかを調べてみて下さい。僕は基本的には食品添加物が含まれる製品を置いていないスーパー(ホールフーズやトレーダー・ジョーズ)で買い物をします。外食時は避けようがありませんが、少なくとも家庭内で食べるものはできるだけ安全なものを選ぶようにしています。

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出典元:まぐまぐニュース!