レガシィ・アウトバック(写真: SUBARUの発表資料より)

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 スバルの旗艦がマイナーチェンジした。グローバル・プラットフォームは使用していない。つまりマイナーチェンジで、根本的なモデルチェンジの時まで、グローバルプラットフォームの使用は見送られているのだ。

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 2年ごとの大幅なマイナーチェンジは、現代の自動車では宿命となった。それは電子制御の進歩が速く、5年のモデルチェンジサイクルでは電子部品が「古代の異物」となりかねない情勢だからだ。現在、パソコン、スマホなどは、2年もすると「だせ〜」と言われる情勢だ。車の電子制御も、特に「運転支援システム」については「時代遅れ」になってしまう。

 つい5年ほど前まではマイナーチェンジと言えば「お化粧直し」程度のデザインの小変更程度でも通用していた。しかし、現在の車種では、1年ごとのマイナーチェンジではなく、2年ごととしてでも、電子装置のバージョンアップを果たさねばならなくなっている。

 ユーザーの立場からいえば、次には10年前の車両でも「運転支援システム」だけは、バージョンアップが出来るつくりにして欲しいのだ。さもないと中古車の値段が下がるはずだ。現在HV、PHV、EVの中古車の値段が崩れやすいのはバッテリーの寿命が短いためだが、電子部品の陳腐化については、パソコンのOSのバージョンアップを見れば想像がつくはずだ。

 スバル・レガシィは「アイサイト」とスバルが名付けている、複眼式のカメラを用いた運転支援システムの機能をバージョンアップしてきた。当然と言えば当然で、レガシィシリーズは、スバルの旗艦であり、スバルの「ウリ」となっている「アイサイト」を最新鋭にしていないと販売戦略に支障をきたすはずだ。これがマイナーチェンジを必要とする現在の自動車市場の必然だ。

 今回のマイナーチェンジでは、前車追従システムのスピード制限を0km〜120km/hとするのと、バック時の緊急ブレーキシステムをミリ波を用いて実現している。「アイサイト」は光学式複眼レンズを用いてきたが、後部やサイドなどはミリ波を利用したほうが実現しやすい。「アイサイト」のウリの複眼だけでなくミリ波を使用したのは、妥協であり進歩である。

 もう一つ、隠れたポイントは企業経営の立場で見ると「グローバル・プラットフォーム」を使用してこなかったことだ。モデルチェンジごとに、グローバル・プラットフォームを使用してくる予定なのだろうが、これは生産設備、特にプレスに用いる「金型」の製造費用を償却しなければならないからだ。償却不十分の生産台数で出る「損害」と、グローバル・プラットフォームを採用することで出る「メリット」を比較して、早くグローバル・プラットフォームに切り替えたほうが、増産の場面では有利なことも多々あるのではないか?

 デザイン面では、スバルの最近の「ダイヤモンドカット」に類する曲面処理は、初代ニッサン・シルビアに用いられたものと同種の面処理だ。好みの問題は各人で良いのだが、スバル各車に取り入れられて、新鮮味を出し、美しい処理となっている。SUVのXVでは、太い胴体を見事に処理している。アウトバックもこのモデルになって、ステーションワゴンからSUVのデザインに近くなり、ダイヤモンドカットが似合うのではないか?早い時期にモデチェンジで徹底したほうが良い気はする。これは個人的感想だ。

 サスペンションセッティングの見直しが行われたようだが、これはスバル・グローバル・プラットフォームを使用したインプレッサなどのセッティングが素晴らしく、スバルの旗艦レガシィとしては、追いつく必要性があるはずだ。どの程度の出来であるのかは、試乗してみるしかないであろう。おそらくはスプリングを柔らかくして、ダンパーで受け止める、現代流行りのセッティングであろう。インプレッサに追いつくには、グローバル・プラットフォームを使用しないで対応するのでは、よほどプラットフォームを補強しないと難しいはずだ。