サンマがおいしい時季がやってきました。8月下旬から10月にかけてが、サンマがもっともおいしくなるといわれています。

まさに今が旬のサンマをおいしく味わうには、じつはいつもと焼き方を変えるのがポイントです。魚料理に定評のある、割烹料理店『荻窪 有いち』店主の橘光太郎さんに、サンマのおいしい焼き方を教わりました。


旬のサンマは、塩のふり方が決め手!

「サンマは旬の前の8月半ばくらいまでは脂が少なく、旬の時期は脂が多いのが特徴です。旬かそうでないかによって、おいしい焼き方も変わってくるんです」。
サンマは、焼く前の塩のふり方がおいしさの決め手になります。

「旬のサンマは、バットにペーパータオルを敷いてサンマを置き、表裏10か所くらいずつ楊枝で穴をあけ、全体にまんべんなく塩をふります。そのあと、ラップをかけて30分〜1時間ほど冷蔵庫で寝かせましょう。出てきた水分はペーパーに吸収されるので、とくにふきとらなくてもOK。臭みがなく、脂のうま味が際立つサンマの塩焼きになります」

また、焼く前にグリルを2分ほど余熱しておくこともポイントです。

「庫内の温度を上げておけば、短時間で焼くことができ、焦げたり、身がはがれたりという失敗を防げます。たっぶりの脂に火がついて焦げるのをふせぐため、数か所菜箸で穴をあけたアルミ箔をしきましょう。そうすると余分な脂が下に落ちます。火力は強火と中火の間をキープ。表裏5分くらいずつ焼きます。サンマの身がムチッとしてきたらOKです」●脂がのっていないサンマの焼き方は?

ちなみに、脂がのっていない時期のサンマは、どう焼くのがいいのでしょうか?

「この時期のサンマは水分が少ないので、長時間火にかけると、どんどん中の水分と脂が抜けていって、パサパサになってしまいます。そこで空のグリルに火をつけ、2〜3分ほど温めます。こうすることでサンマを焼きあげる時間を短縮できるので、その分水分を逃がしません。ついで網の上にホイルをのせ、サンマを置き、塩をふりかけます。塩は焼く直前にふり、水分を逃さないことが大切です。アルミ箔の上で表裏7〜8分焼いたら、サンマを包み3〜5分蒸し焼きにしてください。火はずっと中強火以上をキープして。脂・水分をサンマの中に閉じ込めることができ、ふっくらとした仕上がりになってくれますよ」

魚はフライパンで焼くと後片づけがラクですが、魚を半分に切らないとフライパンに入りません。サンマはワタがあってこそおいしいので、フライパンではなくグリルで、身を切らずに一尾のまま焼くのがおすすめだそうです。

旬の味覚を、家庭でぜひ味わってみては。

<イラスト/macco 取材・文/ESSE編集部>