1990年代とは何だったのか?

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90年代は今からすると20年前の世界になります。そして、日本にとっては現在に通ずる技術が生まれた年でもあります。もっとも大きなものは家庭用コンピューターの普及があるでしょう。それを後押ししたものは1995年に発売されたWindows95でした。この年は、阪神・淡路大震災とオウム真理教事件が立て続けに起こり、これまで安全と言われてきた日本の土台が揺るがされました。この年が、戦後50年の節目であったことも印象的だったのではないでしょうか。

90年代をとらえなおす

そんな90年代を、思想や文化の側面からとらえた本が、大澤聡の編集による『1990年代論』(河出書房新社)です。本書では心理、政治、科学、宗教といった人文社会科学から、アニメ、漫画、ゲーム、アートといった文化的な側面まで、それぞれの分野に通じた執筆者が原稿を寄せています。執筆者のほとんどが1970年代から80年代生まれであることにも注目です。執筆者が、10代から20代の多感な時期を過ごした時代こそが、1990年代なのです。そのフィルターを通して見えてくる時代もあるでしょう。

現在に通ずる90年代

巻頭言において編者の大澤は、90年代の亡霊は現在にもさまよっていると記しています。ただぼんやりと昔の時代を懐かしむというだけではなく、現在に生きる私たちのルーツを考え直すきっかけとして、90年代論は有効かもしれません。