(写真=「良いブタン」Facebook)

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9月3日、北朝鮮が6回目の核実験を実施したことで、朝鮮半島が緊張感に包まれている。

文在寅大統領は核実験に対し、「最高レベルの報復措置を取る」と表明。バスターミナルでは休暇を終えた軍人たちが部隊への復帰を急ぐ姿が目撃されるなど、韓国軍は非常事態に突入した模様だ。

ところが、世間では北朝鮮の核実験やミサイル発射に対する緊張感があまり感じられない。むしろパロディネタとして使われ、人々の笑いを巻き起こしているくらいだ。

「挑発にも爆発しない」

最近もっとも話題なのは、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を広告モデルに立てたガスボンベの広告である。

金正恩氏が睨んでいる写真と、「どんな挑発にも爆発しない」というキャッチフレーズ。

一見するとネット民が適当に作った合成画像かと思われるが、これは「良いブタン」という韓国のガスボンベメーカーのFacebookに掲載された、正真正銘の“商業広告”だ。

韓国メディア『亜洲経済』によると、“核開発・ミサイル発射などの挑発を繰り返す”金正恩氏の写真とキャッチフレーズを使い、どんな危険にも爆発しないガスボンベの安全性を強調しているという。

肖像権の侵害が気になるところだが、キャッチフレーズとガスボンベ、金正恩氏が妙にリンクしていて、インパクトの強い広告であることは確かだ。

全メニューの名前に「核」付き

海外では、有名人をモデルにしたパロディ広告が“表現の自由”として法的に認められるため、金正恩氏の写真が何度か広告に用いられた。

例えば、アメリカの種実類加工会社の宣伝、イスラエルのハンバーガー広告、イギリスの美容室宣伝など。ただ、海外より肖像権問題に厳しい韓国で、金正恩氏の写真が商業広告に使われたのは今回が初めてだという。

もちろん良いブタン側は本人の許可なく使用しているが、法曹界では金正恩氏が韓国内で訴訟を起こす可能性はゼロに近いと予想している。

また、個人営業のお店で配布されるチラシでも、よく金正恩氏がモデルとして登場しているようだ。

SNSで話題を集めたとある中華料理屋のチラシには、「正恩〜ごめんよ!私が先に爆発させる!」という文章と共に金正恩氏の写真が入っていて、「核ちゃんぽん」「核ジャージャー麺」など、メニューの名前にやたらと「核」が付いていた。

朝鮮半島で戦争再開の可能性が懸念されている状況なのに、不謹慎な広告と言えるかもしれない。

しかし、最近の北朝鮮の動向に対し、韓国ネット民は「いつもの行事じゃないか」「もし核や化学武器が爆発すれば全滅する。戦争が起きたらみんなで死ねばいいさ」「もし戦争でも起きたら後世の人にとって2016〜2017年の韓国歴史は間違いなく面白いだろうな」「せっかく文在寅政権になったし、強硬対応してほしい」といった反応を見せている。

韓国のキム・ヨンウ国会国防委員長も5日、ラジオ番組でこう話した。

「私たちの日常はとても平穏だ。核実験の翌日もソウルでマラソン大会が行われた。先日北朝鮮がミサイルを発射した時、速やかに対応した日本とはあまりにも対照的ではないだろうか」

はたして朝鮮半島はどうなるか。それにしても、北朝鮮の最高指導者が“広告モデル”として韓国で人気を博すことには、隔世の感を覚えずにはいられない。

(参考記事:韓国で暮らす「キム・ジョンウン」さんたちの心情と悩み…「もう我慢の限界」

(文=S-KOREA編集部)