時給2000円以下はブラック企業認定…ヤマダ電機やヤマト運輸の「真の時給」を算出してみた

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 昨今、超長時間に及ぶ労働時間による自殺や事故、残業代の未払いなどのニュースが後を絶たない。果たして、自分の労働と対価は適切であるのか。そこで、さまざまな職業の人たちに手取り月給と労働の実態を取材。明らかになった“本当の時給”とは――。なお、ブラック企業ユニオンの代表を務める坂倉昇平氏によると、「月給を労働時間で割ってみてください。時給1500円を超えているかどうかがひとつの目安ですね。ボーナス込みなら2000円以上。どんな業種でも人間らしく生きるにはそれくらい必要です」とのこと。ここでは、「ブラック企業」との呼び声高いあの有名企業の時給を比べてみよう。

ヤマダ電機 42歳・フロア販売員 VSヤマト運輸 41歳・配送ドライバー

 これまでサービス残業を含めた、過酷な長時間労働が何度も報じられてきたヤマダ電機とヤマト運輸。

「世間から叩かれた影響か、今は月100時間を超えるような異常な残業はありませんよ」とは、ヤマダ電機のフロア販売員の畠中淳さん(仮名・42歳・フロア長)。

「でも、新生活シーズンの3〜4月、ボーナス商戦の7月と12月は相変わらずですね。秋も新商品が多いので残業が増えます。以前ほどじゃないにせよ、毎月の残業は50時間以上。そのくせ会社は残業撲滅を謳っており、現場が抱える仕事量との間に矛盾が生じています。正直に残業時間をつけてしまうと上司がうるさいため、タイムカード上は20時間以内に抑え、それ以上はサービス残業のままです」

 対するのは、今年7月に未払い分の残業代総額230億円を社員に支払ったヤマト運輸。配送ドライバーの吉原聡一さん(仮名・41歳)は、「残業代だけで60万円近く振り込まれました。諦めていたので、その点では会社を評価しますが、長時間労働なのは今も同じです」と現状を語る。

「6月にドライバーの負担軽減を目的に配達時間帯の指定枠が変更になったのですが、一日の配達数が減ったわけではなく、分刻みのスケジュールを強いられるのに変わりはないですね。配達後には書類仕事が待っており、残業せずに帰宅するのは困難。残業代が出るようになったのは助かりますし、手取りの約45万円が少ないとも思いません。ただ、それよりも配達の業量を1時間分でもいいから減らしてほしいですね」

 職種は違えども両者見事に時給2000円以下。ブラック企業ならではの結果となった。

●ヤマダ電機
実質労働時間:230時間
手取り月収:38万円
時給:1652円

●ヤマト運輸
実質労働時間:246時間
手取り月収:45万円
時給:1829円

※9/5発売の週刊SPA!特集『時給でわかる[得する職業・損する職業]』より
<取材・文/週刊SPA!編集部、イラスト/福島モンタ>