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日本ではここ数年で外国人旅行客や在留外国人が激増し、それに伴って彼らのマナー違反問題も顕著となってきました。中でも目立つのは圧倒的多数を誇る中華系訪問客ですが、今回は主に欧米系外国人の犯しがちなマナー違反と、その背景を探っていきたいと思います。



【マナー違反 靴編】



■土足で家屋に立ち入る

外国人の犯しがちな古典的マナー違反としてまず挙げられるのが、靴を履いたまま家屋に上がってしまうこと。日本は多湿気候で足が蒸れやすいことに加え、外の不浄を家に持ち込むのは習慣・信仰上の理由から禁忌とされているため、屋内では必ず靴を脱ぎます。

靴文化圏から来た欧米人なども、日本人が家で靴を脱ぐことは知っているようですが、盲点なのが寺社参拝時や和風のお食事処。何も知らずに土足のまま本殿やお座敷にずかずかと上がり込んでしまった外国人を私も何度か目撃したことがあります。これは外国人にとって、一体どの段階(石段の上なのか、スノコの上なのか、はたまた上がり框の上なのか)で靴を脱ぐのかわかりづらいうえ、特に階級社会のヨーロッパや南米では上流にいくほど公共の場で靴を脱ぐ行為を「はしたない」と考える傾向があるため、プライベートな空間以外で靴を脱ぐという発想にそもそも思い至らない人もいるのだとか。

■裸足で街歩き

土足で家屋にあがる人がいる一方で、「裸足の方が自然で気持ちが良い」といった理由から、同じ西洋人ながら裸足で街歩きをする人に遭遇するのも事実。日本ではあまり馴染みがないものの、これはヨーロッパでは盛んな“ナチュリズム”や“ヌーディズム”のライフスタイルで、現代社会において全裸のまま服を着た状態と同じように過ごす裸体主義の一環。

この思想の支持者たちは自然体(≒裸)でいることをこよなく愛し、オーガニック衣料やヴィーガンフードを好み、自然療法や代替医療に傾倒しているのが特徴です。私の住むオーストリアやお隣のドイツ、フランスなどでもナチュリストたちが自由にくつろぐためのヌーディストエリアがあちこちに設けられており、確立された主義として社会からも容認されている様子。しかし、このようなナチュリスト思想の浸透していない現代日本において、裸足の街歩きは周りをぎょっとさせるマナー違反以外の何物でもないでしょう。

【マナー違反 カップル編】



■事前予告なくパートナーを同伴

欧米・中南米などでは、常にカップルで行動する慣習が根強く残っています。高校卒業時のプロムなどはその最たる例ですが、私が留学していた南米のチリでは、パートナーがいない人はナイトクラブで自由に踊ることすら許されていなかったほど。そんな文化的背景から、会う約束をしていた外国人が突如パートナー連れで現れることも稀ではありません。

しかし日本ではカップルが常時行動を共にするわけではなく、結婚式や会合などでも基本的に連名で招待されない限りパートナーは参列しませんし、「友達のパートナーも友達」といった図式が自動的に成立することもありません。無論、昨今は異文化に親しむ人が増えているので、この限りではないかも知れません。それに自宅に食事に招いたり、レストランを予約している場合には、事前予告なくパートナーを同伴されると、料理や座席が不足してしまう事態も起こり得るでしょう。ということで、このカップル行動も日本では留意しておくべきマナーのひとつと言えるのでは。

■公衆の面前でいちゃつく(PDA)

日本では武士道の影響もあり、人前では熱烈な愛情表現をしないことが暗黙の了解とされてきました。ところが英語にはPDA(Public Displays of Affection)という「公然イチャイチャ」の正式名称まであり、海外ではこれらの行為に対して鷹揚な文化も存在します。特に中南米系カップルはその熱烈度合いが半端なく、バスに乗っている間中「チュウチュウ」と音を立てて接吻を続けたり、私に対して「マキ、見ていてね」と宣言してから濃厚に睦み合うさまを見せつけてくるすごいカップルもいました。もう目のやり場とコメントに苦慮しましたが、これが大抵の日本人の反応ではないでしょうか?

国や文化によっては日本のように挨拶がお辞儀ではなく、ハグやキスであったりするので致し方ない部分もあるのでしょう。しかし、あまりに煽情的なラブシーンは周囲の日本人にショックを与えてしまうと頭に入れておいて欲しいですよね。

ドイツやオーストリアで「ハイル・ヒットラー」の敬礼を真似たり、タイの寺院内やアラブ諸国でいちゃついたり、チリのイースター島でモアイ像によじ登るなど、その地域でNGとされる行為を行ってしまった場合には、例え外国人であれど容赦なく逮捕や国外追放されると聞きます。それに対して日本は穏健で、外国人のマナーにもかなり寛容な国かと思われますが、はっきりと伝えていかない限り、この問題はなくならないのでは……。

※ ※ ※

そう危惧していたところ、日本各地の観光スポットでトラブルに発展している外国人旅行客のマナー違反をテーマにした番組がオンエアされるとのこと。

例えば、世界遺産・富士山の“構成資産”として認定された天然記念物でもある「忍野八海」では、トレビの泉のごとくコインを投げ込む観光客が後を絶たず、水質汚染や鯉たちの誤飲が深刻化。コイン回収のためにダイバーが出動する事態にまで発展しているとのこと。そこで早速、マナー違反行為に及んだ外国人を突撃してみると、「池にコインを投げるの、今SNSで流行ってるんですよ」と悪びれる様子もありません。

また東京観光の定番スポットとして人気のアメ横でも、マナー違反者が続出している模様。カニの足を引っ張る、エビをつまんで放り投げる(!)程度は当たり前、刺身を素手で掴んだり指先でつんつん押してまわる強者も……。触って鮮度を確かめる習慣をもつ国もありますが、日本では不衛生として嫌われる行為なだけに、店主も「せっかくの鮮魚が傷んでしまうからやめてほしい」とこぼす始末……。

こうしたマナー行為におよんだ観光客を突撃。「思い切って注意」した上で、その行為が禁止とされる理由を優しく諭して理解してもらおうという画期的な異文化交流バラエティに仕上がっているようですので、これは要チェックですね!

「外国人観光客に思い切って注意してみました ニッポンのマナー」

放送日時:9月3日(日)13:15〜(日本テレビ系)

企画・演出:小島友行 / 矢島理恵子(クリエイティブネクサス)

出演:サンドウィッチマン、いとうあさこ、尾崎里沙(日本テレビアナウンサー)、篠原信一、遼はるひ、小峠英二、U字工事



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