『辛くておいしい調味料 ハリッサレシピ』(誠文堂新光社)

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 一見すると“豆板醤”のような、北アフリカ・チュニジア生まれの調味料 “ハリッサ”をご存じですか?

 赤唐辛子の辛さと、スパイスがほどよくミックスされた奥深い味わいが楽しめると、パリやロンドンなどで大ブームの中、日本でも ”ちょっとプラスするだけでコクが出るおいしさ!“と話題になり、その人気が高まりつつある。

 

 そんなハリッサを使った、初のレシピ本『辛くておいしい調味料 ハリッサレシピ』(誠文堂新光社)が出版された。

 しっかりとした個性がありつつ、決して主張しすぎないその味わいは、エスニック料理の枠を飛び出し、和洋中とジャンルを超え、新しい風味を引き出し、私たちの味の世界を広げてくれる!

 本書では、6人の料理家によってレシピが紹介され、ハリッサのさまざまな楽しみ方、使い方を提案し、ハリッサが “万能調味料”であることを教えてくれる。

 そもそもハリッサは、チュニジアでは“日本のみそ”のような存在で、家庭によって使用するスパイス、作り方などが異なり、その家の味がある。

 また美容、健康によいことでも知られ、オリーブオイル、赤唐辛子、にんにく、クミン、キャラウェイ、コリアンダーなどが含まれ、食欲増進、抗菌、減塩、代謝アップ、整腸作用に期待ができる。

 というわけで、今回は比較的手に入りやすい市販の「オリジナル ハリッサ(カルディコーヒーファーム)」を使用し、実際に3品を作ってみた。

1、ハリッサ入りトマトソースと卵が織りなす、ピリ辛マイルドがたまらない!チュニジアの家庭料理 “シーフードのオジャ”(P.16)

 材料:玉ねぎ、パプリカ、セロリ、ズッキーニ、にんにく、しめじ、小エビ、冷凍シーフードミックス(アサリ・イカ入り)、卵、赤唐辛子(輪切り)、ハリッサ、トマト缶(カット)、トマトペースト、オリーブオイル、塩、こしょう

作り方:
(1)野菜は7mm程度の角切りにし、にんにくはみじん切りにする。しめじは石づきを切ってほぐす。
(2)フライパンにオリーブオイル、にんにく、赤唐辛子を入れ弱火にかけ、香りが出たらパプリカを入れてよく炒める。
(3)続けて、玉ねぎ、セロリを加えさらに炒め、玉ねぎが透き通ったらトマト缶、トマトペースト、ハリッサを加えて煮る。
(4)シーフードミックス、ズッキーニ、しめじを加えて、火が通ったらエビを入れる。
(5)エビに火が通り過ぎないうちに、卵を落とし、卵に塩、こしょうをふり、ふたをして卵が半熟になったら、火を止める。
(6)器に盛ってハリッサを添えれば完成。

 魚介のダシがきいた、ほどよいスパイス加減のトマトソースに、とろっとした卵が野菜とよく絡み、口に運ぶスプーンが止まらない。絶妙な時間差で火を通した野菜は、みずみずしくシャキシャキとし、ひとつひとつの素材の風味がしっかりと味わえる。

 ハリッサは前面に出すぎず、その料理の味わいの深いところにまで溶け込む、名脇役的調味料だとわかった。

2、10分で作れる! 電子レンジを使った本格派スパイス仕込み風 “ハリッサ チキンキーマカレー”(P.27)

材料:玉ねぎ、しょうが(すりおろし)、にんにく(すりおろし)、鶏ひき肉、ハリッサ、カレー粉、トマト缶(カットタイプ)、塩、ごはん

作り方:
(1)玉ねぎをみじん切りにする。
(2)耐熱ボウルに玉ねぎ、しょうが、にんにく、ひき肉、ハリッサを入れてよく混ぜ合わせ、ラップをかけて電子レンジ(600W)で3分加熱する。
(3)レンジからいったん(2) を取り出し、カレー粉、塩、トマト缶を加えて再度ラップをし、レンジで5分加熱する。
(4)器にごはん、カレーを盛ればできあがり。

 火を使わず、あっという間にできたカレーは、スパイス、にんにく、しょうがの香りがとてもよく、その香りだけでもカラダが元気になってくる。

 トマトの酸味、玉ねぎの甘み、鶏肉のダシ、ハリッサ、カレー粉が複雑なおいしさを生み出し、本格派のテイストに仕上がっている。キーマカレーといえば、あれこれスパイスを揃えなくては…と苦労するイメージがあったが、これからはハリッサとカレー粉さえあれば、いつでも楽しめる本格派のキーマカレーとなりそうだ。

 また具材を油で炒めることなく、ヘルシーなのも嬉しいポイントだ。

3、和風もイケる!病みつきになってしまう!! ピリ辛×コク旨スープの “ハリッサ入りみそバター鍋”(P.43)

材料:白菜、しゃぶしゃぶ用豚肉、みそ、ハリッサ(※)、みりん、バター、水
※書籍内では、「ハリッサ・ペースト(ジューダ)」を使用し、レシピを紹介

作り方:
(1)白菜を細切り(繊維を断つ方向)にする。
(2)鍋にみそ、ハリッサ、みりん、バター、水を入れ、火にかけてよく混ぜる。
(3)煮立ったら、白菜を入れ、肉を1枚ずつ広げ4〜5枚入れれば完成。

 みそベースのスープは、バターによってまろやかになり、ハリッサのちょうどいい辛さが後を引く。シャキシャキとした白菜に、甘い脂がたまらない豚肉をつまむ箸が、鍋と口を絶えず行き来していることに気づく。

 締めは、本書でもイチオシの中華麺で、スープの最後の一滴までいただいた。

 本書には、レシピの紹介以外にも、いつもの調味料にハリッサを少し足した、野菜スティック(マヨネーズ+ハリッサ)、刺身(醤油+ハリッサ)などの楽しみ方に、焼き鳥、冷奴、ソーセージにトッピングするなどの、カンタンでおいしいアクセントとしての食べ方を提案している。

 また料理家によるハリッサ自体の作り方を紹介するページ、手軽に買える市販のハリッサカタログもあり、ハリッサビギナーだけでなく上級者にとっても楽しめる1冊となっている。

 これから日本で、“食べるラー油” に次いでブレイクしそうな調味料、ハリッサ。

 ハリッサを使い、レパートリーを増やすもよし、自分流の楽しみ方を発掘するもよし! 毎日の食卓をもっとおいしくヘルシーに、新しい味わいに出会える、わくわくのハリッサライフを始めてみては?

文=澤 ゆか