『帝国の復興と啓蒙の未来』(中田考・著、伊丹豪・カバー写真 太田出版)

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『帝国の復興と啓蒙の未来』出版を記念して、著者でイスラーム研究の第一人者、中田考による連載ウェブサイトが9月1日に公開された。

「中田考の近未来、世界はこうなる!講座 〜イスラームから見た最新世界情勢予測〜」と題し、文明、地政学、国際政治、さらには「イスラーム国」出現と消滅の背景など、様々な側面から歴史と文明のありかたを考察、世界がこれからどう変わっていくのかを論じている。

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平等な世界、それは自由民主主義が唱える薔薇色の世界の実現ではなく、むしろ逆です。暴力による強権支配と民族差別による西洋の後進国化という「平等」がいま実現しつつある。西洋の欺瞞と偽善の働きで、右翼(ゼノフォビアとファシズム)が台頭する。トランプや安倍がまさにその象徴です。この本の後書きにも書きましたが、このような状況は政治自体の劣化とも連動しています。

だいじなことは、まずちゃんと現実に向き合うことです。ただの幻想に過ぎないものを真実だと思い込んでいないかどうかをしっかり見る。解決になるかどうかはわかりませんが、そこからしか解決への道は始まりません。世界の未来は、文明の再編の複数の可能性にむかって開かれています。

西欧が最終的に今まで通りアメリカ、アングロスフィアと結んでいくのか、それともロシアと結んでいくのか。あるいは中東と結んでいくのか。中東と結んでいくと非常に劇的な形でトルコが潰れて、難民がいっぱい入ってくるかもしれない。あるいは中国が世界を征服するか、その場合ユーラシアの端っことして、中国の制覇の一部に乗る形になるかもしれませんけれども。

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『帝国の復興と啓蒙の未来』では最新の中東情勢分析に加え、長年のイスラーム研究と著者の思想を凝縮。宗教の垣根を超えた、他の誰にも書けない世界史となっている。