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星野源さんが所属するレコード会社「ビクターエンタテインメント」が9月から、YouTubeなど動画サイトに投稿されていた「恋ダンス」の踊ってみた動画について、削除の手続きをはじめた。

恋ダンスは、昨年大ヒットしたテレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系)のエンディングで、主演の星野さん作詞作曲の「恋」に合わせて、新垣結衣さんら出演者が踊った。いわゆる「踊ってみた」動画として、さまざまな人たちがYouTubeなどに投稿する現象も起きていた。

ビクターエンタテインメントは昨年11月、ドラマ放送期間中にかぎって、CD購入やダンス時間など、一定の条件を満たせば公開を認めるという声明を出した。同社はさらにドラマ放送終了後の2月、「2017年8月末日」までは、著作権法に基づく動画削除の手続きをしないと発表していた。同社によると、9月1日から対象の動画は随時削除している状況だという。

ネット上では「なんで今さら」「とても残念だな」といった声もあがっている。そもそも、星野さん作詞・作曲の「恋」の著作権は「JASRAC」(日本音楽著作権協会)が管理している。なぜ、JASRACではなくビクターエンタテインメントがYouTubeなどに対して著作権法上の権利を行使できるのか。

今回の削除手続きに関する法的なポイントについて、著作権法にくわしい高木啓成弁護士に聞いた。

●「恋」の著作権はJASRACが管理しているが・・・

「CDやiTunesなどの音源には、作詞・作曲により発生する権利である『著作権』と、その楽曲をレコーディングして制作したレコード原盤の権利である『原盤権』が含まれています。

このうち、『著作権』はJASRACが管理していますが、『原盤権』は、レコード会社であるビクターエンタテインメントが管理しています。

そのため、ビクターエンタテインメントは『原盤権』に基づいて、YouTubeに対して動画削除の手続きができるわけです」

そうだとしても、ビクターエンタテインメントは、星野源さんの「恋」の音源に合わせた「踊ってみた」動画の削除手続きをおこなっていなかった。9月になって、対象の動画について削除手続きをおこなっているが、それは問題ないのだろうか。

「動画の削除手続きをおこなうかどうかは、完全に権利者が権利行使するかどうかという問題です。消滅時効など、特段の事情がない限り、今まで権利を行使しなかったからといって、権利がなくなるわけではありません。

あくまで、ビクターエンタテインメントが『原盤権』を管理しており、『原盤権』に基づいて削除手続きをおこなっているので、法的にはまったく問題ありません」

このように、ビクターエンタテインメントの対応は、正当な権利に基づくものというわけだ。なお、同社は「たくさんの皆様に楽しんでいただきましたこと、スタッフ一同感謝と御礼を申し上げます」とファンに向けてコメントしている。

(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
高木 啓成(たかき・ひろのり)弁護士
福岡県出身。2007年弁護士登録(第二東京弁護士会)。ミュージシャンやマンガ家の代理人などのエンターテイメント法務のほか、IT関係、男女関係などの法律問題を扱う。音楽事務所に所属し、作曲家、ロックドラマー、DJとして活動するほか、「hirock’n」名義でiTunes等にて自らの楽曲を音楽配信している。Twitterアカウント@hirock_n
事務所名:アクシアム法律事務所
事務所URL:http://www.axiomlawoffice.com/