Dorothy Little Happy“5人再集結”に見た、圧倒的なエンタメ性とショービズの怖ろしさ

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 Dorothy Little Happyが、8月26日と27日に行なわれた『@JAM EXPO 2017』に出演。2日目ではメンバーが卒業したユニットや解散したグループが一夜限りの復活を果たす「EXPO Dream Stage」に5人で登場し、現メンバーである高橋麻里に加え、2015年7月にグループを卒業したcallmeの秋元瑠海、富永美杜、早坂香美、今年7月にグループを卒業し芸能界を引退した白戸佳奈を含む5人体制でのパフォーマンスを披露した。

 5人でのパフォーマンスは、2015年の東京・中野サンプラザホール公演以来。このライブがメンバー同士のトラブルに発展したこと(参考:Dorothy Little Happy、卒業ライブでメンバー同士バトル http://www.realsound.jp/2015/07/post-3948.html)、それ以降5人がDorothy Little Happy とcallmeに分かれてしまったことを踏まえると、異例ともいえる企画だ。アイドルファンは大きく湧き、そのステージを一目見ようと集結した。

 先日行なわれた白戸の卒業ライブをいち早く詳細に伝えた、音楽評論家の宗像明将氏もその一人(参考:Dorothy Little Happyが笑顔で乗り越えた白戸佳奈卒業ライヴ)。氏は今回の再集結について、「1カ月前に白戸さんの脱退ライブが行なわれたばかりだったので、予想できなかった」と語る。

 元々Dorothy Little Happyは宮城県発のアイドルとして2010年に結成され、2011年にメジャーデビュー。「デモサヨナラ」や「恋は走りだした」などの名曲で、固定のファンのみならずアイドルシーン全体のファンからも高い評価を獲得したグループだ。宗像氏は5人時代のDorothy Little Happyについて、最初に彼女たちを見た2013年初頭からのことを振り返りながらこう話した。

「5人が揃った時の清楚さや、良質でポップな楽曲、アートワークなども含め、すべてにおいて洗練されているという印象でした。当時はそこまでその凄さを理解してはいませんでしたが、やはり失ってみてわかるもので、5人体制が終了して以降、2014年に行なわれたZeppDiverCity公演の収録されたブルーレイを繰り返し見続ける期間がありました。特に白戸佳奈さんの脱退が発表されてからは毎晩見ていたほどです」

 また、5人体制が終了し、Dorothy Little Happyとcallmeに分かれて以降の時期について、同氏はこう続ける。

「callmeはMIMORI(富永美杜)さんが作曲を、振り付けをKOUMI(早坂香美)さんが、歌詞を3人で担当するなど、自作自演のアーティスティックな路線に舵を切っていました。ビジュアルもクールな路線を打ち出して、Dorothy Little Happyとは違った魅力を放っている印象です。一方、Dorothy Little Happyとしてグループに残った高橋さんと白戸さんは、従来のグループ像を踏まえ、正統派路線のアイドルとして活躍していました」

 そんな時期を踏まえ、改めてこの日5人の再集結を見た宗像氏は、その感想を以下のように述べる。

「約2年の歳月を経てもなお、5人が揃ったときの洗練度は変わっていないなという印象でした。関係者エリアはビッシリと埋まり、現役アイドルの姿も多く見られました。出番前にはそれまでに登場したどのアーティストよりも多くの人がアリーナを埋め尽くしていました。ステージの片方からcallmeの3人が現れて、もう一方から高橋さん、白戸さんの2人が登場し、ステージの上で円陣を組む瞬間は鳥肌ものでしたね」

 また、パフォーマンス中に以前のトラブルをネタにしたことで、5人の中で止まっていた時計が再び動き出したのではないかと指摘する。

「ライブ中盤、秋元さんが中野サンプラザでの出来事をネタにし『あのときは私たちも子供だったんで』と発言して、それに対して白戸さんが『あのときの伝説になったあの曲を』と笑いながら前置きして『未来へ』が始まった瞬間のアリーナの湧きっぷりはすごいものでした。また、『恋は走りだした』のイントロが流れたとき、横浜アリーナはここまで物理的に揺れるのかと驚くくらいの歓声が上がりました。あの時ステージにいたのは、間違いなく私がブルーレイで何度も見返した、当時のDorothy Little Happyでしたね」

 最後に、5人のなかで唯一引退を選択し、7月に「人生最後のライブ」を終えたばかりの白戸についても言及しながら、このステージの素晴らしさについてコメントしてくれた。

「白戸さんに関しては、もちろん色んな感情があると思います。でも、歌もダンスも表情も、5人のDorothy Little Happyにおけるリーダーとして素晴らしいステージングをしていました。私にはそれで充分でした。もちろん、『なんでまだ白戸さんが出てくるの?』『なんで5人でまた出るの?』という疑問もあったと思います。でも、Dorothy Little Happyはそれらをエンターテインメントの力で説き伏せる、感嘆させるくらいの圧倒的なものであったことは間違いありません。それと同時に、アイドルというショービズの恐ろしさも感じたステージでした。エンターテインメントというものの根源を問われたような感覚にも陥りましたね……」

 もう見られないと思っていたものが、目の前で繰り広げられる光景は、バンドやユニットの再結成しかり、普段のライブでは味わえないほど胸を打つものがある。やはりその特別さは、どのジャンルにおいても同じことであり、ある意味恐ろしいものでもあるのだと思わせてくれる出来事だった。(中村拓海)