ロシアワールドカップ出場に向け、追い込まれた韓国代表【写真:Getty Images】

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最終戦に勝利すれば予選突破を決められるが…

 現地時間9月5日、韓国代表は2018年ロシアW杯アジア最終予選のウズベキスタン戦に臨む。8月31日のイラン戦は引き分けに終わり、最終戦に敗れればプレーオフ進出すら逃す可能性も出てきたが、ゲームキャプテンの失言もあり、国民の応援ムードは冷やかなものとなっている。(文:キム・ドンヒョン)

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 運命の日が来た。6日の0時(日本時間)、2018FIFAロシアワールドカップアジア最終予選、韓国-ウズベキスタンの一戦が始まる。

 韓国としては絶対に勝利が必要だ。現在勝ち点14とグループAの2位を維持しているが、カタールに勝利したシリアが勝ち点12で3位、ウズベキスタンも勝ち点12点だが得失点差で4位につけている。

 韓国はウズベキスタン戦で勝てば、勝ち点17になりシリアとウズベキスタンの猛烈な追撃を振り切ることができる。そしてシリアがイランに負け、中国がカタールに大勝すれば、イランとカタール以外の順位がすべて入れ替わり、中国が3位に滑り込む可能性すらある。中国としては韓国の勝利を望むしかない。

 だが、韓国が引き分け以下の結果に終わった場合はそれこそ複雑だ。引き分けとなると勝ち点は韓国が15、ウズベキスタンは13となる。イランと対戦するシリアがイランに勝利すると韓国の3位が決定。ロシアW杯ストレートインは消えるが、とりあえず希望をつなぐとはできる。もちろん韓国が引き分けの場合でも、シリアがイランに負ければ韓国の2位が確定する。

 ウズベキスタンに負けた場合は最悪だ。ウズベキスタンが勝ち点15点になり、韓国の2位は消滅。そしてイランとシリアの結果を待たなければならない。そしてもしシリアがイランに勝つと、シリアはウズベキスタン同勝ち点になり、韓国の敗退が決まってしまう。

 チームのムードは決して良いわけではない。イラン戦の壮絶な引き分けの直後、記者会見で元大宮アルディージャのキム・ヨングォン(広州)の失言があったからだ。彼はイラン戦後「観客の応援がうるさすぎてまともなコミュニケーションが取れなかった」と発言してしまった。

“失言”に韓国内では批判的な声。ムードは冷やかに

 確かにこの日は6万3千人以上の観客がつめかけていたが、イラン人を除くすべての人が韓国を応援しに来ていた。韓国の9大会連続W杯出場というミッションを成し遂げてほしいと後押しすべくスタジアムに訪れたファンがほとんどだった。

 だが、キム・ヨングォンの一言で応援ムードは急速に冷え切った。試合後はもちろん彼の失言を責めるファンの意見が殺到した。しかも彼はゲームキャプテンだった。もし本当にプレーに支障が出ていたとしても、キャプテンとしては不適切な発言であった。

 9月1日、ウズベキスタンへの出国前に当のキム・ヨングォンは「悪い意味で言ったことではない」と釈明したが、韓国内の世論は批判的なものであり、「応援しない」という人すら出てきているほどムードが冷やかになってしまったのは確かだ。

 そうした状況にある韓国代表チームだが、ウズベキスタン・タシュケントに入り、試合に向けて練習を予定通り行っている。シン・テヨン監督も現場で行われた記者会見で「勝利以外はない」と意気込むなど勝利への意志を示した。

 ケガ明けでイラン戦に欠場したキ・ソンヨン(スウォンジー)もトレーニングには参加、試合出場の可能性が高まっているという。失言で大騒ぎしたキム・ヨングォンも、「誤解があった。彼は出場する」とサポートを惜しまないシン・テヨン監督のもと、出場が確約されている。

 ファン・ヒチャン(ザルツブルク)がワントップを務めたイラン戦とは違い、長身FWのキム・シヌクや韓国Kリーグで10本のアシストを記録している“クロスマスター”ヨム・ギフン(水原三星)の出場も取り沙汰されているが、シン・テヨン監督はイラン戦のときと同様、トレーニングを一切公開していない。勝利へ向けた意思が感じられるが、それはウズベキスタンも一緒で、彼らは泊っているホテルも非公開にしているという。

 韓国にとっても、ウズベキスタンにとっても、史上まれに見る決戦になるに違いない。1986年からスタートした韓国のW杯出場連続記録がここで止められるか、それともアジア最多の9大会連続出場と記録を継続することができるか。タシュケントの奇跡そして悲劇はこの1試合で決まる。

(文:キム・ドンヒョン)

text by キム・ドンヒョン