ルーマニア・ザルネシュティ市近郊にあるクマ保護区「リベアティ」で暮らすクマたち(2015年6月26日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】ルーマニア政府は4日、クマやオオカミによる人の襲撃例が増加している事態を受け、クマ140頭、オオカミ97匹を駆除するか、移動させる方針を明らかにした。その一方で、動物愛護団体からは非難の声が上がっている。

 同国の環境省は声明で「重大な損害を防ぎ、公共の保健と安全を守るため」の措置だと述べた。政府が任命した科学者らによる委員会は「この2種の保全を危険にさらす措置ではない」として支持している。また専門家らは、駆除を行えば「トロフィーハンティング」と呼ばれる娯楽としての狩猟を防ぐことにもなると説明している。

 だが、世界自然保護基金(WWF)はこの方針を強烈に批判。WWFルーマニア支部のクリスティアン・パップ(Cristian Papp)代表はAFPに対し「当局が最初に対処すべき問題は、クマが餌を探して人間の居住地域にどんどん近づくようになってしまっている状況だ」と述べた。

 同国の環境省は昨年10月にも、狩猟家らにクマ552頭、オオカミ657匹、オオヤマネコ482匹の猟を許可する方針を示したが、同様の非難を受けて撤回した経緯がある。

 ルーマニアの広大な原生林には、欧州のヒグマ全体の約60%に当たる約6000頭のヒグマが生息している。
【翻訳編集】AFPBB News